「腎性貧血」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「腎性貧血」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

腎性貧血の前兆や初期症状について

「腎性貧血」としての自覚症状は貧血と同様のものです。貧血の一般的な症状としては、運動時の疲労感増、息切れがする、頭痛、イライラといったものがあります (参考文献 1) 。
腎性貧血になる患者さんは、貧血症状の前に腎機能悪化による症状に悩まれる場合も多いかと思います。慢性腎臓病の症状としては次のようなものがあります (参考文献 2) 。

浮腫み(むくみ):
特に下肢が浮腫みます。足首、くるぶしあたりに親指で押すと跡が残る浮腫みができやすいです。

高血圧

倦怠感

腎性貧血に関しては職場の検診などで「腎臓の値が悪い」と言われれば病院へ行くことが、腎臓疾患の進行や貧血への腎性貧血の併発を防ぐことができて一番良いです。
その他にも尿が泡立つ、血尿があるといった症状を自覚する場合や、先ほどの慢性腎臓病の症状、貧血の症状が出ればすぐに病院を受診し、早い段階で治療をしましょう。

腎性貧血の検査・診断

貧血の原因精査として検査を進める場合には、貧血の原因となる他の病態を除外し「すくなくとも腎臓病が貧血の原因にはなってる」といえるまでデータを集めることが重要です。そのために次のような検査をしていきます (参考文献 3) 。

貧血の原因となる薬剤を使っていないか確認する

血小板や白血球の数や形に異常がないか確認する

白血病などの他の血液疾患がないかを確かめます

血液検査で赤血球の大きさやヘモグロビンの値を測定する

若い赤血球 (網状赤血球) の数を測定し、溶血性貧血や出血などと鑑別します

血中のEPO濃度を測定する

貧血の原因は非常に多く、たとえ腎臓疾患に悩まれている方の貧血でも「腎性貧血」と決めつけることはできません。いくつかの原因が重なっている場合もありますので、丁寧に検査と評価をしていきます。
原因によって治療方針が違うことも多く、特に白血病に代表されるような骨髄系の悪性疾患を腎性貧血と思い込んで治療していると、悪性疾患の進行や、使用薬剤による副作用で命を落としかねません。

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