裁判官が主文を読み上げている間、男はしきりに首を横に振り、納得いかないような表情を見せていた。
裁判所の周りが雪で白くなってきた11月下旬、ある暴行事件の判決が言い渡された。
入廷してきたのは、白髪の多い髪を肩あたりまで伸ばした50代の男。黒のタートルネックのニットにデニムのパンツを合わせていた。
スーパーでクレーム 警察を呼んだ店長に頭突き
起訴状や逮捕時の警察への取材などによると、男は4月、札幌市内のスーパーを訪れ、購入した商品について店側に執拗に問い合わせを行ったという。その後、興奮した男をみかねて店長が警察に110番。
店の対応に激高した男は「こんなバカな店長がいることを世に知らしめてやる」とスマホで店長を撮影しようとし、店長ともみあいに。そして警察が来る前に店を出ようとした男を止めようとした店長に対し、頭突きを2発繰り出したという。男は到着した警察に現行犯逮捕された。
男は数年前にも傷害罪で服役していて、今回の事件は刑終了後5年以内に新たに起こした累犯事件だった。
「近づくな」という意識で頭を振ったと主張も…
逮捕当初から起訴内容を否認し続けてきた男。弁護側は「頭突きではなく近づくな」という意識で頭を振っただけだと主張していたが…
裁判所は、店の防犯カメラなどから男の犯行を認定。暴行罪は成立するとして懲役9か月の実刑を言い渡した。
判決の間、大きく首を横に振り、納得いかない表情を見せていた男。判決言い渡し後、裁判官から「あなたは控訴することが出来ます」と言われると、間髪入れず「(控訴)します」と話し、裁判官の許可を受けずそのまま法廷で大声を出して叫び始めた。
配信: SODANE