気温が下がり始める今の時季、手足の冷えが気になるという方も増えていると思います。
寒いとは少し違う、体の冷え。
今回は、株式会社脳レボ代表で上級心理カウンセラー・行動心理士の川谷潤太さまに、冷えについてお話を伺いました。
多くの方が悩む冷えとは?
冷え性は、特に秋から冬にかけて多くの人が悩む症状の一つです。
手足の冷えから全身の冷えまで、症状を放置していると体全体の不調を招くこともあります。
なぜ冷えが起こるのか、その原因や対策について詳しく解説していきます。
身体を温め、健康的な秋冬を過ごすためのヒントを見つけましょう!
冷えの原因・・・知っておきたい自律神経との関係
冷え性の原因にはさまざまな要素がありますが、実は自律神経の乱れもそのひとつです。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、両者がバランスよく働くことで、体温調整が行われ、冷えを予防しています。
秋や冬などの気温が低い時期は交感神経が優位に働きやすく、血管が収縮して血流が悪くなり、手足の冷えが起こりやすくなります。
仕事や家庭のストレスでも交感神経が優位になりやすいため、冷えの原因となります。
そこでまずは、自律神経の乱れにつながるものを知っておきましょう。
自律神経の乱れの原因となるものをご紹介します。
気温低下:寒さで交感神経が優位になると、血管が収縮し血流が悪くなり、冷えを感じやすくなります。
ストレス:仕事や人間関係のストレスが長期的に続くと、交感神経優位の状態が続き、慢性的な冷えにつながりやすくなります。
睡眠不足:質の良い睡眠は、副交感神経を活性化させ、自律神経のバランスを整えますが、不足すると乱れが生じ、冷えを感じやすくなります。
不規則な食生活:栄養の偏りや食事時間が不規則だと、体内リズムが崩れて自律神経が乱れやすくなります。
冷えを予防するためのトレーニング
自律神経のバランスを整えるには、適度な運動やトレーニングが効果的です。
具体的な方法をご紹介しますので、できる範囲から取り組んでみてはいかがでしょう?
1)有酸素運動
ウォーキングや軽いジョギングなど、できることからでOK。
血行と自律神経のバランスが改善されるだけでなく、筋肉量の増えるので、冷えにくい身体をつくることにもつながります
2)簡単な運動
足や腕、お尻や背中などを繰り返しさすったり、トントンと叩くなど、体全体に刺激を与えることで代謝が上がり、血流もよくなります。
刺激を与えたところを軽く動かすとさらに効果的です。
特に足の指や足の裏全体、また足首などを中心に行うことで、全身の血行不良も改善できます。
3)寝たままマッサージ
手足が冷えて眠れないときなどは、横になってリラックスした状態で10回ほど手足の指をグーパーさせてみてください。
手足が少しずつ温まるはずです。
パーの時に、指が一本ずつ離れるようにするのがポイントです。
生活習慣も見直してみよう
生活習慣の見直しも重要です。
以下のポイントを意識して過ごしてみましょう。
1)朝日を浴びる
朝起きたらカーテンを開けて日の光を取り込みましょう。
朝日を浴びることで、睡眠時の副交感神経優位から、交感神経優位にスムーズに切り替わり、自律神経の調整が安定しやすくなります。
また、朝に軽いストレッチをして体に刺激を与えることは、1日を通じて自律神経を安定させるのに有効です。
2)夜のリラックス習慣
夜は副交感神経を優位にし、リラックスすることが大切です。
湯船に浸かって体を温めることでリラックス効果が高まり、血流が良くなります。
さらに、就寝前に鼻からゆっくり息を吸い、口からゆっくり吐く腹式呼吸を行うと、副交感神経が優位になり、リラックスした状態で良質な睡眠が得られます。
3)足首を温める
足先の冷えには、足首を重点的に温めることが効果的です。
外出時には足首までしっかりカバーする靴下を選びましょう。
冷え対策に効果的な食べ物・栄養素
食事もまた、冷えを改善するための重要な要素です。
特に朝食は、睡眠中に優位になっていた副交感神経から、日中の活動に備えた交感神経への切り替えをスムーズにする役割があります。
毎朝決まった時間に朝食を摂ることで、自律神経のリズムが整いやすくなります。
自律神経を整えるのに、おすすめの栄養素と食材を紹介します。
1)ビタミンB群
豚肉や玄米、大豆食品(味噌など)に含まれるビタミンB群は神経の働きをサポートします。
特に交感神経が活発に働く朝食や昼食に摂取すると効果的です。
2)ミネラル
サバやイワシなどの魚、ほうれん草、ナッツ類には、神経の安定をサポートするミネラルが豊富に含まれています。
みそ汁や煮物に取り入れることで、より栄養が吸収されやすくなり、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。
3)水分補給
自律神経の乱れを防ぐためには、水分補給も欠かせません。
生活の中でこまめに常温の水やミネラルウォーターを飲むことで、体内の循環が良くなり、神経の働きも安定します。
冷え対策に控えた方がいい食材
続いて、控えた方がいい(摂りすぎない方が良い)食材についても紹介したいと思います。
1)糖分
甘いお菓子や清涼飲料水の過剰な摂取は、血糖値の急激な変動を引き起こし、交感神経を刺激します。
また、空腹時に摂取すると、血糖値の変動が大きくなり、自律神経の乱れにつながりやすくなります。
秋の夜長、スイーツを食べながら過ごすリラックスタイムは至福ですが、砂糖をたっぷり使ったスイーツの食べ過ぎには注意しましょう。
甘いものが欲しくなったら、食物繊維が豊富な焼き芋、ハチミツを入れたミルクティーなどがおすすめです。
2)カフェイン
交感神経を刺激するため、摂取タイミングに注意が必要です。
夜に摂取すると交感神経を刺激し、睡眠の妨げとなることが考えられます。
コーヒーは朝に飲むのがベターです。
まとめ
冷えを防ぎ、温かく健康的な秋冬を過ごしましょう!
冷えは自律神経の乱れや血行不良、栄養不足など様々な要因から引き起こされます。
特に秋冬の寒い季節には冷えが一層深刻になりがちですが、紹介した「簡単なトレーニング」や「生活習慣」「おすすめの食材」を取り入れることで改善が期待できます。
これらの工夫を続けていけば、冷え性を解消し、より快適な秋冬シーズンを楽しむことができるはずです。
自律神経を整えることは、冷えの予防だけでなく、心身の健康をサポートする基本です。
この秋冬も、体調を整えて快適な日々を過ごしましょう。
[執筆者]
川谷潤太(かわたに じゅんた)
株式会社脳レボ代表
上級心理カウンセラー
脳科学と大脳生理学の分野に精通し、アスリートや企業に向けて、自律神経の調整方法、メンタルトレーニング、集中力アップなど、具体的で実践的な手法を指導。
これまでにオリンピック選手を含む数多くのトップアスリートを支え、また、企業の人材育成や健康管理にも貢献している。
7年間で1300回以上の講演を行い、受講者は10万名を超える。
株式会社脳レボ
配信: キレイ研究室
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