構音障害の前兆や初期症状について
構音障害は、主に発音の不明瞭さとして現れますが、その他にもいくつかの前兆や初期症状があります。これらの症状を早期に認識し、適切な対処を行うことで、症状の進行を遅らせたり、改善を図ることが可能です。
発音の不明瞭さ
構音障害の最も顕著な症状は、言葉を発する際の発音の不明瞭さです。言葉の一部が聞き取りにくくなったり、特定の音を正しく発音できなくなることがあります。たとえば、「さ行」の音や「ら行」の音を正確に発音できないことが典型的です。
話すスピードの変化
構音障害がある場合、話すスピードが異常に速くなったり遅くなったりすることがあります。筋肉がうまく動かないために、言葉を発するペースが乱れることが原因です。
声のトーンや音量の変化
構音障害が進行すると、声のトーンや音量にも変化が現れます。特に、声が低くなったり、言葉の強弱がはっきりしないことがあります。また、声がかすれたり、小さな声しか出せなくなることもあります。
話す際の息切れ
呼吸と発音が連携して行われるため、呼吸がうまく調整できない場合、話している途中で息切れを感じることがあります。これは、発音に使う筋肉がうまく働かないことで生じます。
言葉のつまずき
言葉を発しようとしても、うまく言葉が出てこなかったり、つっかえたりすることがあります。これは、口や舌の動きがスムーズに行われないためです。
構音障害の検査・診断
構音障害が疑われる場合、適切な診断を行い、原因を特定することが重要です。医師や言語聴覚士による診察や検査が行われ、発音に関わる器官や神経の機能を評価します。
問診と視診
まず、医師や言語聴覚士は、患者の言葉の状態や話す際の状況について詳しく聞き取ります。症状がいつから現れたのか、どのような状況で悪化するのか、家族歴や既往歴なども確認されます。また、発音を直接観察し、どの音や単語に問題があるのかを確認します。
発音検査
言語聴覚士は、さまざまな音や言葉を発音してもらい、どの音が不明瞭であるか、発音のパターンを評価します。また、単語や文章を声に出して読んでもらうことで、発音の正確さやスムーズさを確認します。
口腔・咽頭の機能評価
発音には、口や舌、声帯などの構音器官が関与しているため、これらの機能が正常に働いているかを評価します。特に、口腔内や喉の筋肉が正常に動いているか、麻痺や硬直がないかを確認することが重要です。
神経学的検査
脳卒中や神経変性疾患が原因である場合、神経学的な検査が行われます。CTやMRIを用いて、脳の状態を確認し、構音に関わる神経や脳の部分に異常がないかを調べます。また、筋電図検査などで筋肉の動きを評価することもあります。
配信: Medical DOC