「挫滅症候群(クラッシュ症候群)」の初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

「挫滅症候群(クラッシュ症候群)」の初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

挫滅症候群の前兆や初期症状について

挫滅症候群の初期症状では、圧迫された部分の運動機能や感覚の麻痺、腫脹が現れます。
コンパートメント症候群が起こることもあり、圧迫された腕や脚に激しい痛みやしびれが伴います。
ミオグロビンが尿中に排出されることにより、尿の色が通常と異なり、黒色や褐色に変化します(ポートワイン尿)。

症状が進行すると、全身状態が悪化し、ショック状態や腎不全などの重篤な合併症を引き起こし、命の危険にさらされます。

挫滅症候群の検査・診断

挫滅症候群の診断は主に症状に至った経緯と四肢の運動麻痺や感覚障害、その他の臨床症状の有無によっておこなわれ、診断が確定すると早急に治療が開始されます。
症状が両側の手足に現れる場合は、脊髄損傷との鑑別が必要になり、肛門反射や排尿機能の確認もおこなわれます。

診断を補強するために血液検査や尿検査が実施されることもあります。
血液検査では、ミオグロビン、カリウム、クレアチンキナーゼの値が基準値を上回ることが特徴的で、代謝性アシドーシスや低カルシウム血症などの所見も見られます。
尿検査では尿潜血反応が陽性となり、ミオグロビン濃度の上昇が観察されます。

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