休みが少ない!!
これは、労働者の会社に対する不満の上位に入ることかもしれません。
特に個人客を相手にする小売業、飲食業などにおいては、店舗が年中無休に近い状態であれば、休みを取れない方も少なくないでしょう。
この記事では、
休日についての法律
自分の職場は休みが少ないかの判断基準
無給の休日出勤が多い場合の対処法
などについてご紹介していきたいと思います。
1、休みが少ない…休日についての法律の規制は?
「労働基準法」の定めに従うと、年間休日の最低ラインは105日です。
(1) 労働基準法第35条
実は、休日に関する明確な規定はこの労働基準法第35条にしか設けられていません。
労働基準法第35条
第1項 使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。
第2項 前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。
上記の規定からすると、労働基準法は、企業は労働者に少なくとも「毎週1回、又は4週間を通じて4日以上の休日」を与えなければならない(この休日を「法定休日」といいます。)としているのみで、年間休日に関する規定を設けていません。
ただ、労働基準法第35条を基準とすると、年間休日日数の最低日数は約52日ということになります。
なお、企業がこの基準を満たしていない場合は、企業は、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます(労働基準法第119条第1項)。
(2)労働基準法第32条
次に、労働基準法第32条には次の規定が設けられています。
労働基準法第32条
第1項 使用者は、労働者に、休息時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
第2項 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休息時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
上記の規定からすると、1年を365日(52週)とし、1日の勤務時間を8時間とした場合、企業が労働者を労働に従事させることができる日数は52(週)×5(日=40時間÷8時間)で「260日」ということになり、残りの「105日」は休日に充てなければならなくなります。
この法定休日以外の休日を「法定外休日」といいます。
実際、企業は、この「105日」前後を目安に就業規則で休日を設けています。
2、休みが少ないことで起こりうる5つの弊害
休みが少ないことでどのような弊害が生じるでしょうか。
(1)いつも疲れている
誰しも仕事で疲労は蓄積します。
しかし、休みが少ないと疲労を回復することができません。
また、仕事が休みといっても、休みの日にやるべきこともあるでしょう。
そうすると、結局疲労を回復させることができないまま、仕事を始めなければなりません。
(2)ストレスがたまる
仕事のストレスは仕事から離れたときに回復されるものです。
休みが少なければ回復時間が少ないわけですから、ストレスは徐々に溜まっていく一方となります。
(3)仕事の効率が低下する
十分な休養を取っていないと、体力の差こそあれ、確実に仕事の効率も質も低下します。
そうすると余計な残業が増え、疲労・ストレスが溜まり、それがまた仕事に影響するという悪循環に陥ってしまうのです。
(4)自己研鑽の時間が取れない
休みが少ないと、疲労を回復させる、ストレスを発散させることに時間を使ってしまい、勉強等の自己研鑽に時間を充てることが難しくなります。
(5) 家族や友人との時間が取れない
休みが少ないと、家族や友人との時間も取りづらくなります。
その結果、家族や友人との行き違い、コミュニケーション不足で関係に亀裂が生じる可能性があります。
配信: LEGAL MALL