血圧の正常値はどれくらい?
血圧の正常値は一般的に上の血圧(収縮期血圧)が120mmHg、下の血圧(拡張期血圧)が80mmHgと言われています。
正常血圧 :上の血圧/120未満 かつ 下の血圧/80未満
正常高値血圧:上の血圧/120~129 かつ 下の血圧/80未満
高値血圧 :上の血圧/130~139 または 下の血圧/80~89
高血圧 :上の血圧/140以上 または 下の血圧/90以上
※単位はmmHg
一方高血圧とは診断されないものの、正常値よりも血圧が高い状態の方は正常高値血圧または高値血圧と診断されます。将来、高血圧になるリスクが高いので注意が必要です。
先ほどの平均値をみると、60代くらいからは男女ともに正常高値血圧(血圧130~139/85~89mmHgの範囲)に入ってきます。今まで高血圧とは無縁だった方も、この年代に入ってきたら日々血圧や体調を観察するとよいですよ。
●家で測る血圧が低い理由
診察室で測定するよりも、リラックスした状態で血圧が測定できるため、家ではかる血圧は低い値が出る傾向にあり、この値を家庭血圧といいます。
先ほどご紹介した血圧の基準値は、診察室で測定したものの基準となり、家庭血圧はそれよりも5mmHgほど低い値が基準となるのです。
【家庭血圧の基準】
正常血圧 :上の血圧/115未満 かつ 下の血圧/75未満
正常高値血圧:上の血圧/115~124 かつ 下の血圧/75未満
高値血圧 :上の血圧/125~134 または 下の血圧/75~84
高血圧 :上の血圧/135以上 または 下の血圧/85以上
※単位はmmHg
なお、最近の研究では脳卒中や心筋梗塞の発症を予測する方法として、診察室血圧よりも家庭内血圧の方が有用であると分かってきました。
そのため、診察室血圧と家庭血圧に差がある場合には家庭血圧での診断を優先します。
静かな環境で朝起床後1時間以内に測定をしましょう。排尿後、1-2分安静後に測定を行います。測定前に降圧薬や朝食、喫煙、飲酒、カフェイン摂取はしないようにしましょう。
できれば1機会で2回測定をし、その平均をとります。
血圧が高い(高血圧)または低い(低血圧)とどうなるか?
血圧が高い状態が続くと、血管や心臓に負担がかかります。
自覚症状がなくても動脈硬化や心臓の肥大が進み、脳卒中や心筋梗塞、心不全、不整脈などのリスクが高くなるのです。
低血圧の場合は、それによるめまい、ふらつきや失神などの症状がある場合に検査や治療が必要となります。
●高血圧の診断基準と症状
高血圧の診断基準は、
診察室血圧値 収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上
家庭血圧値が収縮期血圧が135mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上
24時間自由行動下血圧値が収縮期血圧が130mmHg以上、拡張期血圧が80mmHg以上
です。
高血圧は自覚症状がないことも多いですが、血圧がかなり高くなると頭痛やめまい、肩こりなどが起こることがあります。加えて、手足の動かしやすさや痺れなどの症状がおこることもあります。
症状が出た際に血圧高値を示すようであれば、自己判断せずに病院の受診をすることをおすすめします。
●低血圧の診断基準と症状
低血圧の基準は、収縮期血圧が100mmHg以下、拡張期血圧が60mmHg以下と言われています。症状としては、立ちくらみやめまい、朝起きるのが辛い、頭痛や倦怠感があるといったようなものが多いようです。
また低血圧は、比較的に男性より女性、特に若い世代の女性が顕著です。女性が低血圧になりやすいのは、女性ホルモンに血管を広げる働きがあることが関係していると考えられています。
低血圧の場合は、基準値より慢性的に低くても、症状がなければ治療の必要はありません。心疾患や脱水、薬剤の副作用、多量出血など病気や薬による二次性低血圧では、それに応じて対処をします。
また基本的には規則正しい生活や、適度な運動・バランスの取れた食事などを心がけていくことが大切になります。
配信: サンキュ!