東京都在住の40代女性・Mさんは最近、20歳の息子が「カエルのぬいぐるみ」を大切にしていることを知ったという。
まだ2歳だったころに、ある人からもらったものだ。
それは彼が怪我をしてしまった時のこと。駆け込んだ横浜市内の接骨院の待合室で泣いていると……。
<Mさんからのお便り>
18年くらい前、2歳だった息子が遊んでいた拍子に肘が外れてしまったことがあります。
火が付いたように大泣きしはじめ、慌ててすぐに近くの接骨院に行きましたが、先に待っている患者さんも多く、先生方も全員施術対応に追われていました。
そんな中でも手が空いた先生から対応してくれるということだったので待合室で待つことに。
しかし、パニックになった息子はなだめても泣き止みませんでした。
ほかの病院を当たろうかと考えていると…
待ち時間は5~10分くらいだったでしょうか。
息子は全く泣き止まず、心配になるいっぽうですし、息子の泣き声が他の方に申し訳なくて……。
私自身も焦りを感じて他の病院をあたろうかと考え始めました。
そんな時、近くにいた制服を着た男子学生が、自分のカバンからカエルのぬいぐるみを取り出して息子に渡してくれたのです。
それを見た息子は不思議と泣き止みました。
そして、運よく先生の手が空き、息子の施術をしてくださってなんとか事なきを得ました。
当時のことなど忘れていると思っていたけれど…
施術が無地に終わり、待合室に戻るとその男子学生がまだいたのでぬいぐるみをお返ししようとしましたが、「あげます」と息子にくれました。
その後、帰りの車の中で息子は泣きつかれて寝てしまったのですが、ぬいぐるみをちゃんと抱きかかえていたのがバックミラーに映っていたのを覚えています。
息子も今では20歳となり、地方で一人暮らしをしています。
当時もらったぬいぐるみもちゃんと一緒に持っていっていることを最近知りました。
引っ越しの際にとっくに処分したと思っていましたし、2歳の時のことなんて忘れているだろうと思っていましたが、彼のなかでもあの時の思い出は深く印象に残っていたのかもしれない、と感じました。
同時に、私もパニックになっていたとはいえ、あの時の男子学生さんにはちゃんと名前も聞けなかった上にちゃんとお礼をできていたかどうか、気掛かりとなりました。
配信: Jタウンネット