「私は心を病んだ醜い悪魔」女子中学生2人に「性的暴行」で元校長が法廷で謝罪…専門家は「グルーミングあった」

「私は心を病んだ醜い悪魔」女子中学生2人に「性的暴行」で元校長が法廷で謝罪…専門家は「グルーミングあった」

●「援助交際を知り、中学生も性的対象になると…」

検察官らによると、犯行時の動画には、Aさんがうめき声を上げたり、泣いたりしている様子も残されていたという。

犯行には本来、皮膚に直接使用しないようメーカーが注意をしている電動マッサージ機が多用されていた。11月27日の公判でおこなわれた証人尋問では、医師が法医学の見地から、こうしたものの刺激により、Aさんが数日から1週間程度のけがを負ったと説明している。

Aさんが苦痛に感じている様子を見ても、被告人は「痛いということに気づいてませんでした。喜んでいるのかと思っていました」と当時の認識について話した。

なぜそう認識してしまったのか。犯行に及ぶ際、被告人はアダルトビデオを参考にしていたと述べた。

「女性との交際経験が少なく、アダルトビデオが自分の知識のすべてになっていました。リテラシーが低かった」

また、なぜ中学生を性愛の対象にしたのかについて、被告人はこう答えた。

「当時、性非行の問題に教員として直接、対応していました。また、社会的にも援助交際が問題になっていて、中学生も性の対象になるんだという認知の歪みができてしまいました」

●Aさんに続いて被害に遭ったBさん

検察官は、Aさんに続く被害者であるBさんの供述調書の一部も公開した。

それによると、Bさんはその後、学校で生徒が性被害に遭っているといった報道に触れ、被告人が中学でいまだ教職についていることを知って、このままでは新たな被害者が生まれてしまうと考えて、東京都教育委員会の窓口に相談したという。この行動が、事件発覚の端緒となった。

Bさんに対する性的暴行について、被告人は起訴されていないが、「Aさんの面影をBさんに重ねてしまった」として事実であったことを認めた。

法廷では、被告人がAさんとBさん、その家族に対して書いた手紙が弁護人によって代読された。その中で、被告人は「お詫びのしようがない。私は心を病んだ醜い悪魔でした。八つ裂きにされても仕方ない」などと述べて謝罪した。

被告人と妻は、謝罪するとともに、被害弁償も申し出ているとして、被害者に償う姿勢をみせている。また、Aさんへの犯行時、被告人は当時結婚していた前妻との関係に悩み、仕事上でも大きなストレスを抱えていたと説明した。

一方、被害者参加制度によって、被告人に質問したAさんの代理人は、「認知の歪みというが、そもそも遵法意識が足りなかったのではないですか」と被告人を厳しく批判した。

また、被告人の現在の妻が、被告人が初めて赴任した中学での教え子であり、その面影をAさんに重ねていたことも明らかにした。

今後、12月3日に論告求刑、12月9日には判決が言い渡される。

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