ネットで買い物→在庫切れ→「◯◯ペイで返金します!」は詐欺を疑うべし? 最悪の場合は「口座凍結」被害まで

ネットで買い物→在庫切れ→「◯◯ペイで返金します!」は詐欺を疑うべし? 最悪の場合は「口座凍結」被害まで

●金銭被害だけにとどまらない、さらなる恐ろしい被害も

現在、こうした詐欺被害に加え、さらに被害者の預金口座が口座凍結されてしまうというケースも増えています。

口座凍結というのは、本来、詐欺の被害者を救済するための手段の一つです。しかし、詐欺グループの巧みな手口によって、被害者の口座まで凍結される事態が起きてしまっているのです。

「犯人と連絡している際に、突然、私の預金口座に1円が数回振り込まれてくることがありました。何かと思い、犯人に聞いたら、犯人は『こうやって返金できるから、安心して』と言ってきたのです」(被害者の声)

詐欺グループは、被害者を信じ込ませるため、突然、被害者の口座に数円だけお金を振り込むという手口も使い、被害者からさらにお金をだまし取ろうとします。

そして、被害者を信用させるために振り込んだお金は、別の詐欺被害に遭われた方のお金の一部であることがほとんどです。

そのため、捜査機関により、別の詐欺被害のお金が振り込まれた口座として口座凍結要請されて、被害者の口座まで口座凍結される事態が起きているのです。

しかも、口座凍結された状態を放置しておくと、その口座の預金を消滅させる手続きが進められたり、他の預金口座まで凍結されたりするリスクも生じます。

そのため、このような事態に巻き込まれてしまった場合には、いち早く弁護士に相談して、さらに被害が拡大しないよう、適切な対応を取ることが必要になってきます。

【取材協力弁護士】
西山 晴基(にしやま・はるき)弁護士
東京地検を退官後、レイ法律事務所に入所。検察官として、東京地検・さいたま地検・福岡地検といった大規模検察庁において、殺人・強盗致死・恐喝等の強行犯事件、強制性交等致死、強制わいせつ致傷、児童福祉法違反、公然わいせつ、盗撮、児童買春等の性犯罪事件、詐欺、業務上横領、特別背任等の経済犯罪事件、脱税事件等数多く経験し、捜査機関や刑事裁判官の考え方を熟知。現在は、弁護士として、刑事分野、芸能・エンターテインメント分野の案件を専門に数多くの事件を扱う。
事務所名:レイ法律事務所
事務所URL:https://rei-law.com/

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「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。
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