センスのいい家族が暮らす家【vol.16 絵本から着想した家・川端麻里子さん邸 】 | HugMug

大人も子どもも、家族みんなが過ごしやすい家づくりに大切なことってなんだろう? vol.16では、緑豊かな多摩エリアの団地で暮らす、編集者・川端麻里子さん家族の住まいへ。53㎡・ワンルームとコンパクトな住まいには、暮らしを快適にするたくさんの工夫がたくさん。さっそく理想の住まいのヒントを探ります!

profile

川端麻里子さん
編集者
出版社に勤める編集者。自然科学・宇宙・生き物関連の写真集など、主にノンフィクションの翻訳書籍を手掛ける。
Instagram:@_mariko_kawabata_

FAMILY:2人+3匹家族(ママ・娘12歳・猫3匹)
HOUSE TYPE:分譲マンション/リノベーション
HOUSE DETAIL:築約55年/居住歴3年半/53㎡/1R
AREA:東京都多摩エリア

こだわりの住まいについて

おおらかな団地で
小さく暮らす

「近所を散歩していたとき、この古い団地と出会いました。敷地内には大きな公園があって、そこには大きな木がたくさん生えていました。今は娘と猫たちと、その公園へ行くのが家族団らんの時間です」。川端さん家族が暮らすのは、築50年以上経つ古き良き住宅団地。部屋の目の前には広々とした植栽エリアが広がり、裏手には大きな桜の木がそびえ、団地の棟と棟の間には贅沢な広さの芝生が広がる。東京であることを忘れてしまうほど、自然が充実した気持ちのいい場所だ。「昔、住人の方が植えたという栗や柿、あけび、ざくろ、びわなどの果樹もたくさん生えていて、よくお裾分けもいただけるんです」

部屋は風が心地よく抜けるように、2DKからワンルームへリノベーション。設計・施工はご近所の建築事務所『on』が担当し、できるだけ古い柱や梁を残しながら、温かみのある空間に仕上げた。「建築士さんがいくつかリノベアイディアを提示してくださったなかで、娘が選んだ家の真ん中にベッドがあるプランにしました」。ベッドは“スリーピングボックス”と呼称する箱型の二段ベッド。寝床以外にも、ベンチやワークデスク、靴箱、キャットウォークなど、複数の機能を備えており、ベッドを囲むように回廊があるのが川端さん家の特徴だ。

さらに目を引くのが、本棚の中央を飾るカラフルな壁画。友人の壁画ペインター・すまあみさんに依頼して、大好きな絵本『おやすみなさい おつきさま』の一場面を描いてもらった。「“おやすみなさい”の本なのに、床が赤で壁が緑など、やたら派手なお家が舞台なんです。ウサギの家にトラの毛皮があったり、ペットがネズミだったり、なかなかシュールな世界観(笑)。こんな家で暮らせたらおもしろいなと、騙し絵のような感覚で大胆に飾ってみました」

SLEEPING BOX


寝る・働く・くつろぐ・しまう
すべてが叶う、多機能ボックス

家の真ん中に佇むスリーピングボックス(箱型ベッド)は、娘さんが好きな絵本『スウェーデンの変身する家具』からインスピレーションを得て取り入れた。「冬がとても寒い北欧では、家を小さめにつくって、暖炉やかまどの熱を部屋全体にまわし、温かく暮らす文化があったそうで、折りたたみ式の家具や、複数の機能を持たせた家具が盛んにつくられていたといいます」。ベッドスペースには、ブラインドやカーテンを取り付けて、人が来たときはサッと目隠しできるよう工夫している。

ベンチの座面を上げると大容量の収納スペースが。娘さんのオモチャや洋服などが収納されている。

スリーピングボックスには猫が自由に行き来できるキャットウォークも。さらに登って家の梁を歩くのも大好き。

柱に引っ掛けているワイヤーボールは、娘さんが愛猫たちのために東京蚤の市で買ってきたもの。

スリーピングボックスの一角には、川端さんのワークスペースも。ジャストフィットしたというヴィンテージの白テーブルは、目黒の家具屋さんで見つけて15年ほど愛用している。デスク奥の壁は扉になっており、その向こう側にベッドがある。夏は開けて風通しよく、冬は扉を閉めてポスターなどを飾って楽しむ。

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