センスのいい家族が暮らす家【vol.16 絵本から着想した家・川端麻里子さん邸 】 | HugMug

BOOK CORNER

間仕切りとしても機能する
収納力ばっちりの本棚兼ハンガーラック

本好き親子の、高さ1.8m×横幅6.4mの造作本棚。背面にはハンガーポールが設置され、裏は巨大なウォークインクローゼットとして機能する。床の90cm角のグリッドがちょうど本棚の格子の位置とリンクしてすっきり気持ちがいい。絵本『おやすみなさい おつきさま』をモチーフに描いた壁画は、壁画ペインター・すまあみさん親子と、川端さん親子、みんなで色塗りをした思い出も。

壁画はレールで動かすことも可能。隠す収納にも重宝する。

左は壁画のモチーフになった『おやすみ おつきさま』作:マーガレット・ワイズ・ブラウン/絵:クレメント・ハード(評論社)。「戦後すぐ1947年に出版された絵本で、オバマ元大統領のファーストブックでもあるそうです。この著者の絵本は原書が詩なので訳が難しいですが、谷川俊太郎さんや内田也哉子さんなど、素敵な方々が訳書を出しています」。右はスリーピングボックスの着想を得た、月刊たくさんのふしぎ2018年12月号『スウェーデンの変身する家具』(福音館)。

小さな頃、娘さんが愛用していた藤の椅子。「当時、週末も出勤せねばならず、娘を会社に連れて行っていたのですが、娘は往復の電車の中でも会社でもこの椅子に座ってずーっと本を読んでいました。今はもう娘の重みに耐えきれず脚も壊れていますし、猫が乗って寝るだけでもギシギシいいますが、大切にしています」

KITCHEN & DINING

自然と会話が生まれる
バーカウンターダイニング

ダイニングテーブルは置かず、広めのカウンターテーブルで食卓を囲むのが川端さん家スタイル。「私がカウンターの中に立ち、ごはんをつくりながら、子どもや遊びに来た友だちとおしゃべりできるバーカウンタースタイルにしています。昔バーテンダーをしていたこともあって、このスタイルが落ち着きます」

シンクを斜めに配置した、L字タイプのキッチン。床は水にも強いフレキシブルボードを採用。「必ず入れようと決めていたのが、業務用コンロ。野菜を強火で調理したいときなど、勝手に火が小さくならず使いやすいです」。コンロ上には、職人さんが造作してくれたというレンジフードを設置。

木のものが多いキッチンでアクセントになっている、ステンレススチールのインディアンラック。「ふたり暮らしにしては結構ものが多めです(笑)。キッチンにプラスチックやテフロンのものは極力置かないようにしています」

大きな本棚の一角は、キッチンの収納としても活用。冷蔵庫にはその日に起きた史実やエピソードを紹介する「ヒストリーカレンダー」を飾る。

勝手口にあたるキッチン側のベランダにはコンポストを常設。「いろんなコンポストを調べた結果、つくるのが簡単で堆肥が出ないキエーロにしました。微生物は油っこいものが大好物らしいので、揚げ物をしたあとの油や、うどんやラーメンを食べた後の残り汁もそのまま流せるのがとても便利です」

まるで秘密基地のように、ワクワクする仕掛けが詰まった川端さん家族の住まい、いかがでしたか? リノベーションアイディアや、コンパクトに暮らす工夫など、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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