広島・下瀬美術館が、世界で最も美しい美術館に!「ベルサイユ賞」ユネスコの建築賞で最優秀賞に輝く

広島県大竹市にある下瀬美術館が、世界で最も美しい美術館に選ばれました。国際的建築賞「ベルサイユ賞」で今年新設された 美術館・博物館カテゴリにおいて栄えある最優秀賞を受賞

下瀬美術館(広島県大竹市)は、世界的建築賞の「ベルサイユ賞(世界ベルサイユ賞機構)」Museums(美術館・博物館)カテゴリにおいて、最優秀賞を受賞しました。

世界で最も美しい美術館(The World’s Most Beautiful Museums) となった下瀬美術館。

広島県大竹市の海辺に2023年3月にオープンしたアート建築群です。

“アートの中でアートを観る” をコンセプトとし建てられた下瀬美術館の特徴は、なんといっても青・黄・ピンクなどカラフルなカラーガラスの壁を持つ箱型の「稼動展示室」。

これは瀬戸内海の多島美を表現したもの。なんと約42トンもの重さがある「稼動展示室」の “キューブ” は、移動を開始すると1人の力でも動くという、機能面でも興味深いもの。

動かせる美術館という、世界初の建築物を実現させるための苦労が、受賞コメントでも語られています。

下瀬美術館 建築家 坂茂氏コメント

下瀬美術館は瀬戸内海に面した約400メートル幅の美術館で、環境を最大限にいかしました。水に浮いて動くギャラリーや木造の建築など色々なイノベーティブなものが評価されたと考えています。自由に設計させていただいた初めてのチャンスで、下瀬ゆみ子館長をはじめ多くの関係者の皆様に感謝しております。

下瀬美術館 代表理事 吉村良介氏コメント

ベルサイユ賞を頂き、とても光栄に感じております。建築家 坂 茂先生をはじめ、この美術館の建設に携わったすべての皆様に感謝を申し上げます。坂先生にこの美術館の設計をお願いした際、先生は瀬戸内海の島々をご覧になられ、多島美を表現したいとおっしゃいました。そして、色とりどりのキューブで構成された「可動展示室」のイメージを見せていただきました。その建築パースを見た瞬間、動かせる美術館という世界初の美術館建築を実現しなければならないという強い思いを抱きました。

浮力の力で動かす仕組みの可動展示室の建設は困難を極めました。まずベースとなる下部の台船は造船所で細密に製作したものを台船クレーンで釣りあげたまま、海路より陸揚げし、上屋の部分は現地で建設いたしました。竣工前に水位を上げ、浮力実験を行った時に、約42トンもするキューブが浮き上がった瞬間、現場全員の喚起の声が上がりました。さらに移動を開始すると、一人の力でも動き、全員が驚いたことは今でも忘れません。

2023年3月のオープンから、世界中から数多くのお客様をお迎えしております。今後も多くの方に訪れていただき、下瀬美術館並びに瀬戸内の多島美の美しさをご覧いただけると幸いです。

ベルサイユ賞について

ベルサイユ賞は2015年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の本部で創設。

世界中の 空港 / 商業施設 / ホテル / スポーツ施設など7つのカテゴリを対象に著名な建築家や哲学者などの審査によって選ばれる建築賞。

2024年、新たなカテゴリ【Museums(美術館・博物館)】が新設され、6月に以下の7施設がノミネートされていました。

  • A4 Art Museum(中国)
  • Grand Egyptian Museum(エジプト)
  • Smritivan Earthquake Museum(インド)
  • Simose Art Museum / 下瀬美術館(日本)
  • Paleis Het Loo(オランダ)
  • Oman Across Ages Museum(オマーン)
  • Polish History Museum(ポーランド)

2024年12月2日、この中から選ばれた3施設は以下となっています。

  • ベルサイユ賞(最優秀賞):下瀬美術館(日本)
  • 内装特別賞:Smritivan Earthquake Museum(インド)
  • 外装特別賞:Oman Across Ages Museum(オマーン)
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    『広島ニュース 食べタインジャー』は2009年から運営する広島の地域情報サイト。「知るほど楽しくなる広島ガイド」をテーマに、広島に関するニュースやグルメ・イベント・スポットのほか、ニッチで超ローカルなモノまで幅広く独自の視点でお届けします。
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