「つらい、苦しい…」10人の不妊治療STORY。どうやって乗り越えた?仕事との両立も課題

「つらい、苦しい…」10人の不妊治療STORY。どうやって乗り越えた?仕事との両立も課題

仕事と治療は両立できるのか不安だったけど、なんとかなった!

★現在の年齢:32才
★治療内容:体外受精

治療のあとは体調が悪くなり、立て続けに仕事を休まないといけないうえに、休むかどうかが前日にならないとわからない、ということがよくありました。スケジュールが読めなくて大変でしたが、不妊治療をしていることを職場で正直に伝えて理解してもらいました。上司や同僚は、日ごろの仕事の配分に配慮して1人で抱えこまないように工夫してくれたので、心配だった仕事と治療の両立はなんとかなりました。子どもができたことで人生設計が明確になったのは、不妊治療してよかったことの一つです。

【治療歴】
◇30才:婦人科でタイミング法の指導と子宮内膜症の診断を受け、その後大学病院へ転院、精密検査。その結果、子宮内膜症以外に異常なし。人工授精を開始。
◇31才:排卵誘発しながら人工授精5回。体外受精1回目で妊娠。

ようやく排卵しても仕事の都合で人工授精ができない月もあった

★現在の年齢:28才
★治療内容:人工授精

夫婦ともに正社員として働いていたため、通院のタイミングが読めないことなど、スケジュール管理がとても大変でした。排卵誘発剤を増やしてようやく排卵したのに、どうしても仕事の都合がつかなくて、人工授精をあきらめざるをえない月もありました。でも、職場の人に治療のことを伝えたら、勤務時間の融通をしてくれたり、前向きな言葉をかけてもらえたりして、すごくありがたかったです。このまま赤ちゃんを授かることができないのでは…と精神的につらいときには、夫の「気楽にいこう!」という前向きな言葉で安心できました。

【治療歴】
◇25才:月経不順で受診していた婦人科で、不妊治療クリニックをすすめられる。検査後、自然妊娠をあきらめる。
◇26才:風疹ワクチン接種、卵管造影検査。排卵誘発剤を増やし、ようやく排卵して人工授精開始。
◇27才:人工授精5回目で妊娠。

20代から不妊治療をスタートする人が増えている!

20代から不妊治療をスタートさせた、3人の方の体験談をご紹介します。

タイミング法も人工授精も6回。できることは全部やってみよう!と思って治療を続けた2年間

★現在の年齢:31才
★治療内容:体外受精

はじめは検査結果も問題なく、「タイミング法で半年以内に妊娠できるでしょう」と言われました。でも、なかなか妊娠できず、女性として機能していないのかと悲しくなることも。そのたびに自分で気持ちを持ち上げて、とにかくできる治療を全部やってみよう、それでダメならしかたない!と割り切って前向きにとらえました。職場では同僚が治療に理解がある分、申し訳ない気持ちになり、ストレスは大きかったです。体調維持のため夜勤をやめて収入は減りましたが、妊娠できてよかったです。

【治療歴】
◇27才:初受診。検査では夫婦ともに問題なし。タイミング法。
◇28才:タイミング法6回ののち、人工授精6回。その後、体外受精にステップアップして1回目で妊娠。

20代なのに、顕微授精までしないとダメなんだという気持ちでつらかった

★現在の年齢:35才
★治療内容:顕微授精

男性不妊が見つかって治療をしないと子どもを授かれないことがわかり、「年齢的にまだ若いのに、そこまでしなきゃダメなのか」という気持ちになりました。それでも早く授かりたい、できることは早くやりたいと思っていました。顕微授精1回目で妊娠するも流産したときは、夫に報告するのがつらかったけど、彼は「大変な思いをさせてごめんね」と言ってくれて、この人とならずっと一緒に生きていけると思いました。2回目の顕微授精で妊娠したときは、命の大切さを痛感しました。

【治療歴】
◇27才:初受診。検査で男性不妊が判明。タイミング法にトライしたあと人工授精。
◇28才:通院が負担で一時、不妊治療を休む。
◇29才:治療再開。顕微授精1回目で妊娠、流産。
◇30才:2回目の顕微授精で妊娠。

25才でスタートした不妊治療は28才まで続いた

★現在の年齢:29才
★治療内容:顕微授精

不妊治療は、なかなか妊娠できないこと、治療費が高額なこと、痛みがあること、先が見えないことがしんどく、友人の妊娠報告をつらく感じてしまうことも悲しかったです。仕事との兼ね合いが難しく、フルタイムの仕事は退職。体外受精にステップアップするとき、高額になるのであきらめようかと悩みました。実父からは「気持ちの問題では?」「治療費がもったいない」とまで言われたのに、義母は、「お金は気にせずに後悔しないように頑張りなさい」と言ってくれて。おかげで決心がつき、顕微授精を受けて1回目で妊娠できました。

【治療歴】
◇25才:ブライダルチェックで多嚢胞性卵巣症候群と診断。
◇26才:タイミング法を6回したあと、不妊治療クリニックに転院。夫は異常なし。人工授精5回ののち、卵管鏡下卵管形成術を受ける。
◇28才:顕微授精1回目で妊娠。

【DATA】不妊治療は何才からスタートしましたか?

年齢が高くなるほど妊娠する確率が下がるということが常識となったのか、今回の調査では20代で治療を開始した人は全体の約4割に上りました。

不妊治療【体外受精】・【顕微授精】までの道のり

不妊治療【タイミング法】の次のステップとされる、治療法【体外受精】・【顕微授精】。
3人の方の体験談をご紹介します。

妊娠の可能性が上がるならと治療をステップアップ!

★現在の年齢:39才
★治療内容:体外受精

不妊治療に専念するために仕事は辞めました。通院時間を自由にとれるし、ストレスが減り、私は辞めてよかったと思っています。つらかったのは、妊娠判定時に、着床していないと言われたとき。ここからまだ不妊治療が続くのかと、振り出しに戻った感じが毎回しました。こうして治療を進めて最終的に3回の体外受精を経験。治療のステップアップのたびに、「子どもを授かる可能性が少しでも高くなるなら」という気持ちでした。治療を受けることで、妊娠するために今やるべきことが明確になったし、何よりも子どもが授かれてよかったです。

【治療歴】
◇37才:初受診、検査開始。タイミング法3回のあと、人工受精。転院し、体外受精にステップアップ。初めての採卵で、2個受精卵になる。
◇38才:2回の体外受精がうまくいかず、2回目の採卵。1個受精卵になり、3回目の体外受精で妊娠。

体外受精しかない!と判断。人工授精はスキップ

★現在の年齢:34才
★治療内容:体外受精

検査結果で、私は排卵していないときがあり、夫は乏精子症と判明。タイミング法を2回試したあとすぐに、体外受精しか手はないと診断されました。ショックよりも急いで先に進めたい気持ちが強く、人工授精はスキップすることに。何回も通院する必要があるので仕事との両立ができないかも、という不安がありましたが、受診先は夜間も土日も受診できたので、仕事帰りや休日に治療できて助かりました。「無理しないで」と心配しつつも、反対もしないでいてくれた母に感謝しています。とにかくわが子に会えて、よかったです。

【治療歴】
◇32才:初受診。タイミング法2回ののち、人工授精はしないことに。
◇33才:初めての体外受精で妊娠。

最初から顕微授精の提案にショック。大泣き後切り替えて治療に挑んだ

★現在の年齢:33才
★治療内容:顕微授精

初期の検査で、精子の量が少ないことが判明。体外受精・顕微授精でないと妊娠は難しいと言われ、「そこまでしないと妊娠できないんだ!」と驚き、ショックを受けました。一度、家で大泣きしましたが、あとは気持ちを切り替えて治療に臨むことに。自己注射で卵胞(らんぽう)を大きくし、大きさを確認するために不定期で何度も受診。待ち時間を含めて1回の受診に2~3時間はかかりました。最終的に、10個採卵したうちの2個が受精卵として成長。妊娠の確率が高い受精卵を移植して妊娠できました。

【治療歴】
◇31才:初受診。タイミング法ののち、検査結果から早めの体外受精をすすめられる。1回目の顕微授精で妊娠。

■イラスト/Kanako
■構成・文/関川香織

※データは「たまごクラブ」読者を対象とした不妊治療に関するWEBアンケート(n=514:2024年6月実施)調査から、不妊検査及び治療をした方を抽出したもの(n=156):「妊活たまごクラブ」編集部調べ
※各体験談の★は現在の年齢と妊娠に至った治療法を記載しています。
※治療歴の「初受診」は不妊治療クリニックの初受診を意味します。

「先輩たちの妊活体験談:不妊治療STORYみんなはどうだった?」 #2
※参考:「妊活たまごクラブ 初めての不妊治療クリニックガイド 2024-2025」
※本誌掲載の内容は2024年8月19日現在のものです。以降変更されることもありますので、ご了承ください。

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