「どこに納骨する!?」「口座が凍結!?」遠方に住む親の葬儀後は、手続きラッシュ【体験談】

「どこに納骨する!?」「口座が凍結!?」遠方に住む親の葬儀後は、手続きラッシュ【体験談】

えっ、納骨するってどうやって?

ここで、今度は墓の話が持ち上がりました。「四十九日の納骨で、いざというときにお骨を収める場所がわからなかったり、道具がないと開かなかったりすることが時々あるんですよ」とお寺の方から聞かされて、一同不安に。

前回納骨したのは30年も前、祖母の納骨のときです。母も兄も私も、そのときの記憶がほとんどありませんでした。一番関わったはずの父に聞きたいところですが、本人が骨になってしまっています。納骨作業に携わった伯父たちもすでに他界しています。私と兄は2人で夕方、軍手をはめ、スコップを持って、墓へと出向きました。手を合わせた後、ゴトゴトと石でできた香炉台を動かし、砂をどけるなどしてみましたが、それらしい穴はなく、どこから納骨するのかがやはり確認できません。

結局、墓の石碑に父の名前などを掘ってもらう石材業者に連絡し、状態を確認してもらうことになりました。後日、「大丈夫ですよ。納骨の準備ができましたのでご安心ください。当日も立ち会いますよ」と丁寧な連絡をもらい、ほっとしました。

その他、凍結された父の口座の解約や、土地や家屋の名義変更については、兄や私の戸籍謄本や印鑑証明書などをそろえなければならないこともあり、四十九日法要を目安にして徐々に進めることにしました。

まとめ

父の葬儀後、兄と2人数日間多忙でしたが、できるだけのことは進められたと思います。逆に限られた時間だったからこそ、精力的に取り組めたという気もします。翌日は兄も私も実家を離れるという晩。何げなく父の通帳を眺めていて、毎年度末に振り込まれているお金があることに気付きました。税の還付金です。兄は、「年金暮らしだから確定申告はしなくても良いんじゃないかな?」と言いましたが、父は毎年、几帳面に申告し、ささやかな還付を受け生活費に入れていました。いつも黙ってコツコツと小さなことを積み重ねていた父を思い出しました。もう書き足されることのない父の通帳の数字を見ながら、自分がそうして育てられたありがたさを実感したのでした。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

著者:森原あさみ/50代女性。平日はお勤め、週末は農業。夫、子ども、義父母と暮らしている。多忙でも趣味やスポーツの時間はなるべくキープ。育児、介護、町の行く末までいろいろ気になる。
イラスト/sawawa

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)

著者/シニアカレンダー編集部
「人生100年時代」を、自分らしく元気に過ごしたいと願うシニア世代に有益な情報を提供していきます!

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