肌をきれいにしたいと思ったときに、スキンケアをがんばったり、美容医療を検討したりという方は多いと思います。
もちろんそれらも有効ですが、実はその前にもっと大切なことが・・・?
今回は、広島ステーションクリニック理事長の石田清隆先生にお話を伺いました。
キレイな肌を手に入れるために、美容医療の前に大切な『ある準備』とは?
女性の美に対する願望は尽きません。
最近では、美容医療もハードルが低くなり、ボトックスやヒアルロン酸注射、IPL、レーザー治療などの施術を受けられた方も多いのではないでしょうか?
確かに、今日の美容医療は効果がはっきり出る治療を私たちに提供してくれます。
ただ、その費用は決して安いものではなく、またその効果も永続的なものではありません。
施術によっては不自然な印象を与えることもあります。
私たちが健康的な美しい肌を手に入れるためには、美容施術を受ける前に『ある準備』が必要です。
その準備とは、『栄養を整える』ことです。いくら高価な美容施術を受けても、栄養が充足されていないと、健康的な肌の再生、維持ができないのです。
美肌に必要なものは?重要な2種類の栄養素
私たちの肌は、7割がコラーゲンでできているといわれています。
コラーゲンはタンパク質が分解されたアミノ酸を材料につくられますが、構造を維持するためには水素結合というネジが必要で、そのネジをつくる酵素の活性の中心が鉄で補酵素がビタミンCです。
そのため、鉄とビタミンCが不足すると、肌のハリがなくなったり、爪が脆くなったり、髪が抜けやすくなったり、唇や踵がカサカサしたり、血管が弱くなりあざができやすくなったりします。
つまり、ハリのある美しい肌は、スキンケアや美容施術だけでなく、これらの栄養素が不足すると得ることができないのです。
中でも、月経のある女性は貧血がなくても8割は鉄不足があるといわれており、鉄分の多い食事をとることが重要です。
重要なのに、不足しがちな鉄分をしっかり摂る方法
鉄不足にならないようにするには、両手いっぱいの赤みの肉や片手ほどのレバーなどを摂ることが必要ですが、食事だけでこれだけの鉄分を摂取することは難しいといえます。
そのため、食事でできるだけ鉄分を摂取することに加えて、鉄不足が懸念される方にはヘム鉄(鉄ポルフィリン複合体)のサプリメントの併用をお勧めします。
ヘム鉄は、豚の血液などからつくられるためコストが高めですが、保険で処方される無機鉄(非ヘム鉄)の薬剤であるフェルム(フマル酸第一鉄配合)、フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム配合)などのものに比べ、胃腸に優しく吸収しやすいのが特徴です。
月経のある女性の多くは、1日10mg程度のヘム鉄を目安にサプリメントで補うと良いことが多いです。
できれば、栄養療法を行なっている医療機関で血液検査を行い相談すると良いでしょう。
一方、鉄は、美しい肌の形成だけでなく、エネルギーの産生、心の安定、睡眠、集中力、やる気を出すなどの精神症状にも重要なミネラルです。
不足している鉄を補うと、肌、爪、髪が美しくなるだけでなく、疲れにくくなったり、仕事や勉強に集中できたり、心が安定し、良い睡眠が得られます。
鉄、ビタミンC以外にも、細胞増殖に必要な亜鉛、健康な皮膚合成に必要な補酵素であるビタミンB、ナイアシン、ビタミンA、ビタミンDなど、様々な栄養素が健やかな肌の形成に関与しています。
そのため、食材の多様性が重要で、同じものばかり食べず、1週間に50種類以上を目標に食材を摂ると良いでしょう。
美しくなりたい、キレイになりたい・・・そう願い、美容医療を受けることを考えている方は、一度普段自分が摂取している栄養を見直してみてはいかがでしょうか?
鉄分、ビタミンC、タンパク質を中心に栄養を整えた上で、美容施術を受ければ、効果は倍増すること間違いなしです。
[執筆者]
石田清隆先生
広島ステーションクリニック理事長。
栄養医学に精通した肝臓専門医。
2012年より美容皮膚科医療を手掛け、現在医療脱毛をはじめイボ・ホクロ・シミ・タルミ治療、育毛、痩身、アートメイクなど多岐にわたる治療を行っている。
2023年1月にアンチエイジングセンター「Milky Cloud Well-being Center」を開設。
著書に「人生を好転させる2‐week鉄活」(幻冬舎)がある。
広島ステーションクリニック MILKY CLOUD Well-being Center
配信: キレイ研究室
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