普段の食事や飲み物が、私たちの歯にどれだけ影響を与えているかご存知ですか?毎日の食生活で”ある”飲食物を摂取していると、知らないうちに歯が溶けているかもしれません。
今回は、歯が溶ける原因の一種である「酸蝕症(さんしょくしょう)」という歯のトラブルについて触れていきます。
酸蝕症とは?
酸蝕症とは、酸性の飲食物が歯のエナメル質を徐々に溶かしていく病気のことを言います。エナメル質は歯の表面を覆う硬い層で、歯を守る大切な役割を担っています。しかし、酸には弱く、繰り返し酸性のものに触れることで少しずつエナメル質が失われていきます。エナメル質が薄くなると、その下にある象牙質が露出してしまいます。象牙質はエナメル質よりも柔らかく、冷たい飲み物や熱い食べ物に触れると痛みを感じやすくなります。
酸蝕症と虫歯の違い
酸蝕症と虫歯はどちらも歯にダメージを与えますが、原因が異なります。虫歯は口内の細菌が糖を分解して酸を作り出し、その酸が歯を溶かす働きを持っています。一方で、酸蝕症は、酸性の食品や飲料を摂取することで、その酸が直接エナメル質を溶かしてしまう現象で、細菌の関与はありません。そのため、甘いものを控えていても、酸性が強いものを頻繁に摂取していると酸蝕症になるリスクがあります。
配信: 医科歯科健診コラム