「奇跡の子」監督 幕間のつぶやき⑫座席数わずか20席…日本で唯一の素敵な映画館

「奇跡の子」監督 幕間のつぶやき⑫座席数わずか20席…日本で唯一の素敵な映画館

劇場版あしながおじさん

介護者は無料になるなど、特徴のある料金体系ですが、素敵だなぁと感じたのが高校生・大学生にチケットを贈るU-22ギフトチケットです。

若い人にもっと映画を見てほしいと始まったサービスで、賛同した人が1000円のチケットを購入し映画館にストックしていきます。学生はそのチケットを利用して無料で鑑賞できるというものです。学生のために第3者が映画を観る機会をプレゼントする仕組みで、利用する学生よりも集まっている金額の方が多くてジーンときました。

こうした映画館が全国でたった1軒しかないのは、字幕版、音声ガイドを作るのに100万円単位でお金がかかってしまうのが原因です。国などの助成もありますが、多くのスタッフが手弁当で参加していると聞きました。出来上がった音声ガイドの貸し出しもしているということなので、関心のある方は問い合わせてみてはいかがでしょうか。

CINEMA Chupki TABATA(シネマ・チュプキ・タバタ):https://chupki.jpn.org/

U-22 ギフトチケットの案内

次は関東の皆さんが出番です!

「奇跡の子」には江戸時代に描かれた2枚の浮世絵が出てきますが、一枚は歌川広重の「箕輪金杉三河しま」。

歌川広重 箕輪金杉三河しま(やきものの里かわら美術館所蔵)

場所はいまの日暮里あたりということで、田端はその隣町。

「150年前まではここにタンチョウがいたんですよ。北海道で繁殖したタンチョウが、冬はここを越冬地にしていた可能性がありますよ」という話を舞台挨拶の会場でさせていただきました。

長沼町の農家が、繁殖地を作ることができた。次はそこで生まれた雛たちが冬、エサをついばむ越冬地が必要です。次の物語の舞台は本州です。「さぁ長沼の次は関東の皆さんの出番ですよ」と長沼タンチョウの代弁者として越冬地づくりのお願いを訴えてまいりました。

上映は12月14日まで。7日(土)は、長沼町から主人公のタンチョウを呼び戻す会・加藤幸一会長といっしょにリモートで劇場と結びます。ぜひチュプキにお越しください!

舞台挨拶の様子

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