愛知県在住の50代女性・Nさんは2年前、電車の中でコーヒーをこぼしてしまった。
一緒に乗っていた息子の足が、彼女の持っていたカップにぶつかってしまったのだ。
床に広がっていくコーヒー。彼女が「ヤバい……」と思った瞬間、周りの乗客たちが……。
<Nさんからのお便り>
2年ほど前、17歳の重度知的障害の息子と電車に乗っていた時のことです。
息子は時々癇癪やパニックを起こすのですが、その時も段々と落ち着かなくなり、手足をばたつかせはじめました。
そして、私の持っていたコーヒーカップに足があたり、床にコーヒーをぶちまけてしまったのでした。
ドアの前に立っていた女性や、前の席に座っていた人が
「ヤバい……」と思った瞬間、ドアの前に立っていた若い女性がティッシュを出してくれました。
前の席に座ってた方も、ティッシュを出して一緒に拭いてくださりました。
ゴミ袋まで出してくれて、拭いたティッシュを入れてくれた若い男性もいました。今思えば、コンビニで買った商品が入ってたものを、わざわざ出してくれたのかもしれません。
息子がパニックになると、周りの目も当然気になりますし、心身ともに疲れ果てます。
でもこうして周りの方の優しさに触れると少し心穏やかになります。
みなさん先に電車を降りられていったので、お礼を伝えました。年配の女性の方は「お気をつけて」と声をかけて下さいました。
迷惑をかけることもあり、理解されないことも
あの時は私も子供を落ち着かせる事に必死で、周りに気を使う余裕などなく……。
ただ後々、ぶちまけたコーヒーが周りの席の方の服に飛び散ってたのではないかと不安になりました。
ご迷惑かけることもあり、理解されない事も多い癇癪やパニックですが、あの時は本当に助けられました。
あの時の方達がこれを見てくれていたらいいな。
改めて感謝を伝えたいです。ありがとうございました。
あの日、助けていただいたから、母は今も元気でいられるのかもしれません。
お名前を聞くこともできませんでしたが、みなさんに助けていただいたことを一生、忘れません。
感謝しながら生きています。本当にありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない……。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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