野菜には健康に良い栄養成分が、たっぷり含まれています。さらに、野菜と調理方法の組み合わせで、栄養の吸収がアップするなどのうれしい相乗効果が生まれることをご存じでしょうか。そんな野菜の食べ合わせのコツとして、「油と一緒に食べたい野菜」をクローズアップ。野菜の中でも年間を通して手に入りやすいものから選びました。
▲トマト入り麻婆豆腐。リコピンとカロテンの吸収率がアップし、辛味にマイルドなうまみがプラスされます。
トマト・ミニトマト
トマトには、強い抗酸化力を持つリコピンとβ(ベータ)-カロテンが含まれ、どちらも脂溶性(油脂に溶け込んで吸収される性質)。肉やオリーブ油、チーズなどに含まれる脂質と組み合わせると栄養の吸収が良くなります。また、リコピンは熱に強く、加熱調理をすると細胞壁がやわらかくなって吸収されやすくなる利点も。トマトには水溶性のビタミンCやカリウムも豊富に含まれているので、ラタトゥイユなどの煮込み料理もおすすめの食べ方。トマトに含まれる、うまみ成分のグルタミン酸(昆布のうまみと同じ成分)も引き出すことができます。
▲卵やツナと炒める「ニンジンしりしり」もカロテンを効率よく吸収できる食べ方。
ニンジン
オレンジ色に象徴されるβ-カロテンの含有量がトップクラスを誇ります。また、ビタミンCを酸化させる酵素(アスコルビナーゼ)が含まれ、加熱するか酢と組み合わせると酵素の働きを抑えることができます。
バターを使って煮込むニンジングラッセやカレーやシチューなどの煮込み料理、酢と油の両方を使うキャロットラペは理にかなった食べ方といえます。
β-カロテンは皮のすぐ下に最も多く含まれているので、無農薬栽培のニンジンなどはできるだけ皮ごと調理するのがおすすめです。なお、冬に出回る赤色が濃い東洋種の金時にんじんにはリコピンも含まれています。
▲油で炒めて煮込む「かぼちゃスープ」。ビタミンACEを全ていただけます。
配信: LASISA