同じ境遇でも違っても【友だち】ってありがたい
人に話しづらい不妊治療について、友だちに話すことができた!
4人の方の体験談をご紹介します。
友人の励ましのおかげで前に進むことができた
★現在の年齢:30才
★治療内容:タイミング法
姉や友人が妊娠したり、街中で妊婦さんを見かけたりすると、多くの人は自然にできていることなのに、私はお金をかけて痛い注射をしないとできないのかと思い、悲しい気持ちに。そんなとき、友人がランチに連れ出してくれたり、受診に付き添ってくれたりして励ましてくれたので、モヤモヤ悩んでいるだけでなく、前に進むことができました。
【治療歴】
◇29才:産婦人科を受診し、検査。夫はネットで検査キットを購入。
◇30才:タイミング法1回目で妊娠。
職場のサポートが必要!話すとみんな協力してくれた
★現在の年齢:36才
★治療内容:タイミング法
治療でつらかったのは、毎月のタイミング前の痛いホルモン注射。体調が悪くなることもあるので、職場の人には伝えました。すると、それがきっかけで私だけでなく職場のみんながお互いの体調を気づかうようになり、サポートし合える関係になりました。職場の人という枠を超えて、大事な仲間・友人になった気がします。
【治療歴】
◇32才:婦人科で相談。風疹ワクチン接種。排卵誘発剤を使いながらタイミング法。
◇33才:卵管検査ののち、タイミング法で妊娠。
不妊治療を経て妊娠した友人に共感してもらえた
★現在の年齢:38才
★治療内容:人工授精
まわりが次々妊娠するなか、治療中は友人と会うこともつらく、会ったとしても子どもの話をしている輪には入れないと感じたときもありました。そんなときに頼りになったのは、同じく不妊治療を経て妊娠した友人。生理が来てしまったときのつらい気持ちも共感してもらうことができて、とても救われました。
【治療歴】
◇34才:産婦人科で不妊治療したいことを伝え、卵管造影検査後、タイミング法。
◇35才:不妊治療クリニックに転院。検査結果は異常なし。人工授精3回目で妊娠。
治療のことを話したら同僚も治療スタート。今ではママ友!
★現在の年齢:32才
★治療内容:人工授精
職場で不妊治療をすることを話すと、同僚も治療を始めました。彼女とは1カ月差で妊娠、出産して、今ではママ友です。私は休みが取りやすい派遣で働いていましたが、夫がなかなか休みを取れない仕事で、スケジュールの折り合いをつけるのが大変。2人の子なのでもっと夫には積極的に調整してもらいたかったな、という話も彼女にはしていました。
【治療歴】
◇29才:夫婦で不妊クリニック受診、異常なし。
◇30才:子宮鏡検査、卵管造影検査などを行う。ときどき治療を休みつつ、タイミング法。人工授精に進み、1回目で妊娠。
【DATA】不妊治療をしていること夫以外のだれかに話しましたか
約8割の人が夫以外に治療をしていることを話しています。
【DATA】不妊治療をしていることをどなたに話しましたか?
最も多かったのが「実母」。次に「上司・同僚」が多く、「友人」と続きます。「同僚」には、仕事関係者というより友人の意味合いが含まれている場合もありそうです。
夫婦の関係性はどう変わった?
不妊治療はお互いの本心をぶつけ合う、いい機会なのかもしれません。
夫婦にしかわからない、心の機微が垣間見えました。
不妊治療、夫と熱量の差を感じることも
パートナーと2人が協力する必要がある不妊治療。だけど、すれ違ってしまうことも…。
3人の方の体験談をご紹介します。
治療を一時休んだのが夫婦にとってよい判断だった
★現在の年齢:36才
★治療内容:顕微授精
夫は精密検査の結果、手術をすすめられたのに「痛いのは嫌」と拒否。ただでさえ痛い検査は私1人が受けるのに?と思いました。お互いにつらい気持ちになってしまい、治療は一時中止に。4年後の再開時は、顕微授精の提案に夫も「します!」と即答。1回目で妊娠できてよかったです!
【治療歴】
◇30才:初受診、検査開始。自分はほぼ異常なし。夫は精密検査後、必要かもと言われた手術を拒否。人工授精を4回ののち、治療を休止。
◇34才:転院し、顕微授精1回目で妊娠。
寄り添ってくれない夫に自分だけ頑張っている気持ちに…
★現在の年齢:36才
★治療内容:タイミング法
検査で多嚢胞性卵巣症候群と診断され、私に問題があるとわかったからか、夫は検査を受けないまま。初めて排卵誘発剤を飲んだときに副作用で情緒不安定になりましたが、夫は私の気持ちに寄り添うこともなく、自分一人で頑張っている気持ちになりました。仕事の都合で排卵確認だけをするタイミング法でしたが、妊娠できたことは幸いでした。
【治療歴】
◇34才:生理が50日以上来なくて婦人科を受診、多嚢胞性卵巣症候群と診断される。卵管造影検査後、排卵誘発剤を使い、タイミング法で妊娠。
お願いしても検査を受けてくれない夫
★現在の年齢:32才
★治療内容:タイミング法→自然妊娠
夫にも検査をしてほしいと頼んだけれど、のらりくらりで結局検査はせず。自分との温度差を感じました。でも、ステップアップするには夫の協力がないとできないので、タイミング法を続けることしかできませんでした。内診されるのは痛いし恥ずかしいしで、しんどくなってしまい、治療を一時休止。そのときに自然妊娠できました。
【治療歴】
◇29才:検査でAMHの値がかなり低いとわかる。
◇30才:排卵誘発剤を使いタイミング法。一時治療を休む。その間に自然妊娠。
文字通りのパートナー、夫がいちばん話せる!
2人の方の体験談をご紹介します。
流産して涙が止まらないとき仕事から駆けつけてくれた夫
★現在の年齢:38才
★治療内容:タイミング法
2回流産し、手術するたびにホルモンバランスや体調が乱れていくのがわかってつらかったです。流産の宣告が悲しくて、待合室で涙が止まらず、まともに歩くこともできなくなったとき、夫は仕事を早く終わらせて病院に駆けつけて、一緒に帰ってくれました。私が落ち込んでいてもその様子を決して否定せず、自分も悲しいのに私の前ではドンと構えて、妊活を支えてくれました。夫がいてくれることが私にはとても大切なことでした。
【治療歴】
◇37才:初受診。夫は問題なし、自分は子宮内膜症、筋腫、卵巣嚢腫が見つかる。タイミング法で妊娠、8週で流産。生理再開後タイミング法。
◇38才:再度妊娠・流産後、タイミング法で妊娠。
共通の目標ができたので夫婦というより"戦友"になった
★現在の年齢:33才
★治療内容:顕微授精
夫婦ともに原因があることが判明し、自然妊娠は期待できないことがわかりました。子どものいない未来が頭をよぎりながらも治療を続けたのは、「子どもが欲しい」という思いが夫婦で共通していたから。夫には毎回通院につき添ってもらったので、私のしんどさをわかってくれました。だから、夫婦であり”戦友”にもなった、という感じです。
【治療歴】
◇29才:初めて産婦人科を受診し、タイミング法。
◇30才:不妊治療クリニックを受診、検査で夫婦ともに異常が判明、タイミング法。
◇31才:人工授精。
◇32才:排卵誘発による体外受精と顕微授精に、同時にトライ。1回目で妊娠するが流産。2回目で妊娠。
【DATA】不妊治療中、夫婦の関係性が変わったと思うことはあった?
「それまでは仲がよかったのに悪くなった」という人や、その逆の場合も。不妊治療は4割近くの夫婦の関係性を何かしら揺さぶったようです。
たまひよ編集部よりMessage
「不妊治療してよかったことは?」の問いに、多くの人が「赤ちゃんが生まれてきてくれたこと」と答えています。治療は大変でも、妊娠してわが子に出会えたことで、苦労は吹き飛びます。できることを積み上げ、ときには勇気を出し、支えてくれる人は必ずいると信じて進むことが、「大変な不妊治療」を「幸せを見つける時間」に変えてくれるようです。
■イラスト/Kanako
■構成・文/関川香織
※データは「たまごクラブ」読者を対象とした不妊治療に関するWEBアンケート(n=514:2024年6月実施)調査から、不妊検査及び治療をした方を抽出したもの(n=156):「妊活たまごクラブ」編集部調べ
※各体験談の★は現在の年齢と妊娠に至った治療法を記載しています。
※治療歴の「初受診」は不妊治療クリニックの初受診を意味します。
「先輩たちの妊活体験談:不妊治療STORYみんなはどうだった?」 #3
※参考:「妊活たまごクラブ 初めての不妊治療クリニックガイド 2024-2025」
※本誌掲載の内容は2024年8月19日現在のものです。以降変更されることもありますので、ご了承ください。
配信: たまひよONLINE
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