元ホス狂、元トー横の23歳女性「強欲のモメたん」が詩集・写真集を出版 「歌舞伎町の経験生きた」

元ホス狂、元トー横の23歳女性「強欲のモメたん」が詩集・写真集を出版 「歌舞伎町の経験生きた」

●歌舞伎町を歩いているとキャッチにつかまった

東京で生まれ育ったモメたんだが、幼少期から父母のケンカが絶えず、家に警察官が来ることもしばしばあった。不登校になるようなことはなかったが、17歳ごろからうつ病になり、ODやリストカットに走るようになる。

高校卒業後、看護の専門学校に進むも、精神的にしんどくなり休学した。20歳のとき、人と会う予定を終え、歌舞伎町を一人で歩いているとキャッチにつかまった。何となく興味を持ち、流れで初めてホストクラブに行くことに。キラキラした内装の中、ホストにちやほやされて楽しかった。

当時から、頻繁にTwitter(現X)で投稿する「ツイ廃」だった。そのうちTwitterで、中性的な顔立ちで、タイプのホストAを見つけた。お店に行き指名すると、「まさにこの人!」と一目惚れした。そのAから、翌日以降「付き合おう」「同棲しよう」「結婚しよう」などと言われた。

「今思えば営業トークだったとわかるのですが、舞い上がっていた私は『彼が全て』となりました」

Aはモメたんの恋心を巧みに利用し、「月150万円、お店で使ってほしい」と貢がせにかかった。当初は復学した専門学校に通いながら夜職で稼いだが、次第に両立できなくなる。退学して、「夜職一本で、毎日鬼出金でノルマの150万円を死守しました」(モメたん)。

そして月2回ほどAが在籍する店にいくと、数十万、ときに三桁万円を使い、彼の売上に貢献した。

●「トー横キッズたちこそ、『命を大切にしている』と言いたい」

しかし、自分に尽くしているモメたんを、Aは次第にぞんざいに扱うようになる。1年ほどが過ぎ、貢いだ総額2千万円ほどとなったタイミングで、Aと別れた。

家庭環境が悪く、専門学校からも離れた22歳の彼女を受け入れ、次の居場所となったのがトー横だった。各地から集まってくる中高生を含む10代たちは、モメたんを温かく迎えてくれた。一緒にお酒を飲み、ODをして騒いだ。

筆者が初めてトー横キッズをネット記事にしたのは、2021年夏。まだ、ゴジラのオブジェがある「新宿東宝ビル」横の路上にいる頃だった。その後、「歌舞伎町シネシティ広場」に移動し、メンバーを入れ替えながら、長らくその姿が確認された。最近は広場が柵で覆われたことから、向かいの路上に居場所を変えている。

時期からすると、広場にいるモメたんを筆者は目にしたことがあるかもしれない。10代半ばの幼顔の男女の中にいると、22歳は大人だ。その分、彼女はキッズたちを冷静に分析する。

「過度の飲酒やODで病院に運ばれるメンバーもいるから、キッズたちは『命を粗末にしている』と指摘されます。しかし、私の見方は違っていて、キッズたちこそ、『命を大切にしている』と言いたい」

「『生きたい』からこそ、家出をしてやって来て、女の子は売春をしながら生活費を得ている。男の子も、できる支えをしています。彼ら彼女たちも一生懸命なのです」

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