「血圧が高い(高血圧)」特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「血圧が高い(高血圧)」に関する病気を紹介します。
どのような病気や症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
脳梗塞
高血圧を放置すると、動脈硬化が悪化します。血管の内部に過度な圧力がかかると、血管の壁が肥大し硬くなります。これが動脈硬化の原因です。
動脈硬化は血管内部にコレステロールの塊や血栓が詰まって狭くなり、脳梗塞を起こすことがあります。
身体の片側だけ動きにくい、ろれつが回らない、顔の半分だけだらりと下がる場合は脳梗塞の兆候です。ただちに救急車を呼び、救急搬送を依頼して下さい。脳神経外科、神経内科などで治療を行います。
くも膜下出血
高血圧に血管が耐えられなくなると、動脈瘤というコブができます。この動脈瘤が脳の血管に発生し、破裂するとくも膜下出血を起こします。
鈍器で殴られたような激しい頭痛、意識障害、麻痺、感覚障害、けいれんなど激しい症状が出ます。
死亡や重い後遺症が出る危険な疾患です。ただちに救急車を呼びましょう。
心筋梗塞
心臓は生涯動き続け、多くの酸素と栄養を必要とする臓器です。
心臓へ酸素や栄養を運ぶのは、冠動脈という血管です。冠動脈が動脈硬化を起こすと血管内が細くなり、やがて心臓への血流が十分にできなくなります。
酸素と栄養が供給されないと、虚血に陥った部位の心筋が壊死します。これが心筋梗塞です。締め付けられるような激しい胸の痛みが20分以上続くと、心筋梗塞を疑います。痛みは左胸だけでなく顎や左肩、左腕まで広がることがあり(放散痛)、歯痛と勘違いすることがあります。
顔面蒼白になり冷や汗、吐き気、意識低下が起こることもあります。
循環器内科で治療を行います。症状が重くて動けないときは、ただちに救急要請しましょう。
狭心症
心筋梗塞と同じ原理で起こる症状です。狭心症は冠動脈の血流が不安定で、血流が回復することがあります。血流が回復すると、症状は治まります。
胸が締め付けられる激しい痛みが数分から10分間程度続くと、狭心症を疑います。
狭心症の痛みは徐々に強くなるのが特徴です。心筋梗塞になる前に、早急に循環器内科を受診して下さい。
動脈硬化
高血圧を放置すると血管が高い圧力にさらされ続け、血管壁が厚く硬くなります。さらに血管内部にコレステロールが溜まり、詰まりやすくなります。これらの症状が動脈硬化で、放置すると心筋梗塞や脳梗塞などの原因となるのです。
動脈硬化は、血管が詰まらない限り症状が出にくく、自覚症状がありません。進行すると、めまい、耳鳴り、足の痛み、足が冷たい、胸の痛み、顔面や手足の麻痺などの自覚症状が出ることがあります。50代以降に悪化するため、定期検診で血圧を測り、異常があればすぐ医療機関に受診しましょう。
高血圧
血圧が140/90mmHg以上の状態を高血圧と定義します。
日本では推定4,300万人の方が高血圧と考えられ、誰でも高齢になれば高血圧リスクが上がります。長年放置するとやがて動脈硬化が悪化し、致命的な疾患を発症します。
加齢、肥満、塩分過多、飲酒や喫煙、運動不足、ストレスは高血圧を悪化させます。若いころから禁煙、減塩を心がけ、飲酒はほどほどに抑えましょう。健診で高血圧を指摘されたら、早急に内科を受診しましょう。
「血圧が低い(低血圧)」特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「血圧」に関する病気を紹介します。
どのような病気や症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
糖尿病
糖尿病は進行すると、自律神経障害を合併することがあります。自律神経は血圧をコントロールしますが、自律神経障害が起こると、血圧を上げることが難しくなります。また、立位をとった時めまいを起こす起立性低血圧など、さまざまな症状を引き起こします。
自律神経障害をきたさないためには、血糖値を安定させることが欠かせません。内科に通い、治療と日常生活の改善に努めましょう。
起立性低血圧
起立性低血圧は、起き上がって数秒後に血圧が急激に下がる症状です。立ち上がるとめまい、ふらつき、耳鳴り、失神などが起こります。
自律神経の乱れにより発症し、高齢者、糖尿病の方に多い症状です。長い間寝込んでいた方に起きることもあります。貧血のように見えますが、血液には異常がありません。
立ち眩みが起こったらすぐにしゃがむ、横になることで改善します。日常生活に支障があれば、一度は内科で相談をしましょう。
不整脈
心臓は電気刺激で動きを制御します。右心房にある洞結節という神経から電気刺激が始まり、心筋全体に伝わります。しかし、伝導路に問題が生じる、関係ないところから電気刺激が始まると、脈に異常が起こります。これが不整脈です。
心臓から十分な血流が押し出されないため低血圧になります。めまい、ふらつき、脱力感などさまざまな症状が現れます。不整脈の多くは経過観察でよい場合が多いですが、中には致命的な不整脈もあります。不整脈に気がついたときに、循環器科を受診しましょう。
低血圧
血圧が100/60mmHg以下を低血圧と定義します。
原因不明の体質的なものから、疾患や薬の副作用など、原因はさまざまです。めまい、ふらつき、集中力低下など、日常生活の質を下げてしまいます。
疾患が隠れていることがあるので、放置せずに一度は循環器内科を受診し、検査を行いましょう。
配信: Medical DOC