新NISA開始が貯金から投資へのターニングポイントに
NISA口座を約8割が開設しているというデータも
白井:お金に関する大きなトピックスのひとつが2024年1月の「新NISA開始」(10位)ですよね。取材では「投資はやっていないが、NISAで積み立てだけやっている」という人もいて、投資している意識がないほど一般的になり、貯金感覚の人が多いんだなと感じました。
「Zaim」が9月に行った調査ではNISAの口座を開いている人はなんと78.1%。ただしその多くが新NISA開始前から口座開設していて、新NISAをきっかけに口座開設した人は2割くらいでした。「Zaim」ユーザーはお金のことに関心が高い傾向があるので、世間全体では差があるのかも、という印象をもちました。
深谷:新NISAがスタートした1月は「Zaim」ユーザーから新NISAに関する問い合わせが多かったのですが、その後ガクッと減りました。もともと投資をしていた人が1月に新NISAに移行していて、その後新たに始めようという人は少ないのかなと。
調査では「NISAを始めない理由」の2番目に「資金がないから」という理由が挙がりましたが、新NISAで投資している人の最多世帯年収は400万円未満で、高所得者のみがNISAをやっているわけではありません。でも、お金がないとできないというイメージが強く、それで始められない人もいるのかもしれませんね。
巨大地震への意識…防災対策への関心も高まった
「南海トラフ地震臨時情報」後の支出増
舞山:1月1日に起きた「令和6年能登半島地震」(3位)、また8月8日には政府から「南海トラフ地震臨時情報」(9位)が出され、巨大地震への意識が高まった年でした。「Zaim」の家計簿データを分析したところ、南海トラフ地震臨時情報発表後には、全国的に災害対策関連品目の支出総額が大きく増えました。被害予想エリアでは約2倍に。とくに購入されたのは電池・電球などの消耗家電と水でした。
巨大地震注意の発表は初めてのことで、注意喚起がテレビ画面の脇に表示され続けたりとインパクトが大きく、消費の急激な伸びを促したと考えられます。
井野:トクバイニュースでは今年、ダイソーで作る防災バッグ、スーパーで揃う非常食とロ-リングストックのポイントの記事がよく読まれました。物価高であまりお金をかけられないけれど防災対策はしっかりやりたい、という生活者の気持ちがうかがえます。
ふだんの生活で消費しながら備える「ローリングストック」について、「トクバイ」の調査では7割が「知っている」と回答しています。
配信: トクバイニュース