先日関西に行く機会があったので、京都にも寄ってお寺に参拝してきました。午後から雨だったのでそこまで混雑していなくて良かったです。
最初はどこに行くか決めていなくて「京都 紅葉 穴場」で検索していたのですが、京都駅から離れすぎるとそのあとの移動が難しいです。京都駅でチラシが目に入ったのは「美人祈願」の文字。 泉涌寺の秘宝の楊貴妃観音様について書かれていました。
さっそく、東福寺駅から歩いて泉涌寺へ。皇室の菩提寺とされる格式高いお寺なので、付近にもたくさんお寺があって結構歩きます。しかも、道の途中にある戒光寺には、台座から光背部を入れると約10メートルの高さの大仏がいらして、運慶父子の作だと書かれていました。重要文化財や国宝だらけの古都、京都はすごいです。ありがたくお参りさせていただき、しばらく歩いて泉涌寺に到着。ちなみにこちらの本堂にも、運慶作と伝わる阿弥陀・釈迦・弥勒の仏像が安置されていました。
境内には「楊貴妃観音堂」があり、お会いしたかった楊貴妃観様がいらっしゃいます。唐の玄宗皇帝の楊貴妃をかたどった観音様で、玄宋皇帝が楊貴妃の冥福を祈って彫らせたそうです。約800年前に中国から渡来されました。
伏し目がちで軽く微笑んだ楊貴妃観音は、優雅で霊妙な美しさでした。生写真や美人祈願のお守りも売られていました。お守りを買いながらお坊さんに、「これを持って何ヶ月くらいで美人になれますか?」と聞いたら、とくにその質問には答えられす「お財布に一年くらい入れておいて、古札納め所に持って行かれてください」とのことでした。
楊貴妃観音はとても美しかったのですが、大変失礼なことに私は楊貴妃と西太后を混同してしまっていて、悪女イメージを持ったままお参りしていました。楊貴妃は完璧で素晴らしい女性だったようて失礼しました。素直な心で参拝しなかったので美人祈願も効かないかもしれません……。
ちなみに泉涌寺は空海にちなんでいるお寺。 泉涌寺の塔頭の来迎院は空海が創建したと伝えられています。それだけでも霊験あらたかですが、秋の特別拝観で舎利殿が特別公開されていました。なんと仏牙舎利(釈迦の歯)が納められているそうです。そのものは拝見できませんが、お釈迦様の歯に近付けたと思うと感無量です。お釈迦様が説法をしていた口にあった犬歯なので、ありがたいものだと珍重されています。犬歯のうちの残りは、ネパール、スリランカ、中国にあるそうです。仏様にもなると全身標本がバラバラになって各地で御神体になるんですね。天井には鳴き龍の絵が描かれて、手を叩くと「ビーーン」と響いて、龍の鳴き声を感じられました。デジタルアートでは得られないアナログの体験型アートの霊力を感じました。
泉涌寺から徒歩県内の所に紅葉で有名な臨済宗大本山の東福寺があります。こちらもまた広大な境内で、着いたと思ったら周囲に10以上お寺がありました。
紅葉ゾーンの入園料は1000円。舎利殿も1000円で、京都でお寺を周り、特別拝観など観ているとあっという間に4、5000円になっています。でも、それがお寺の景観の維持につながり、功徳にもなるのでしたら……という思いです。
東福寺は通天橋からの紅葉の雲海が眺められるなど、絶景が素晴らしいです。ほぼカエデだったので統一感がありました。行ったときはまだ緑の部分もあり、グラデーションが鮮やかでした。11月は約40万人が訪れるそうなので、1000×40万と、思わず計算してしまいました。そんな景気の良さにもあやかれる名寺です。
東福寺の境内にはおよそ2000本のカエデが植えられているそうです。「人がいなければね~」という観光客の声が聞こえてきました。
配信: 幻冬舎Plus