マルコメは12月5日、日本生まれの植物性ミルク「米糀ミルク」をカフェ向けに開発した「KOJI BARISTA EDITION」の発売記念イベントを東京・南青山のカフェ「Little Darling Coffee Roasters」で開催した。2025年2月から業務用として発売する。イベントには、コーヒージャーナリスト岩崎泰三氏をはじめ、ラテアートの世界大会などでも入賞歴のある赤川直也氏、小池司氏、吉田一毅氏、LIWEI氏が参加し、植物性ミルクの可能性などについて語り合った。
冒頭マルコメの多和彩織氏がカフェ市場や商品概要について説明し、日本にもコーヒーにミルクを入れて飲む文化が浸透しつつあり、若い世代は、豆乳、アーモンドミルク、オーツミルクといった植物性ミルクを好んで飲む傾向が見られる。しかし、それぞれに独特の風味があり、好き嫌いが分かれる現状に対し、マルコメが培ってきた発酵の技術で、「植物性ミルクが抱える課題を解決できないか」と考え始めたのがきっかけで、今回の新製品の開発に至ったことを明かした。
マルコメ 多和氏
その上で、「KOJI BARISTA EDITION」は、「甘味、うま味、苦味、酸味、塩味のバランスをこれまで馴染みのある牛乳に近づけることで飲みやすさを実現した。甘味とうま味は牛乳よりも強く、ラテにした時もスペシャルティコーヒーの酸味をしっかりと引き出せる設計としている。また、他の植物性ミルクは飲み始めてから時間が経つとミルクの感じ方が弱くなっていってしまう。『KOJI BARISTA EDITION』はそれが最後まで継続されることも特徴のひとつとなっている」と強調した。
また、商品開発の権純一専任課長は、「コーヒーの味にバランスを合わせることにこだわった。スペシャルティコーヒーの味を邪魔せずに、活かすことを念頭に開発をスタートさせた。ラテのフォーミングではコントロールがうまくできること、細かい泡が長く残る仕様とした。脂肪分やたん白質をうまくバランスさせ、牛乳に近いものを作るために改良を重ねた」と説明した。
〈牛乳よりも甘く、時間が経っても味が変わらず持続、口当たりもいいと好印象〉
トークセッション
トークセッションでは、ラテアートの世界チャンピオンを取っているLIWEI氏は「KOJI BARISTA EDITION」について、「とても使いやすい。食感もいい。牛乳と比べてふわふわ感がある。泡を立て、ラテアートをする点では、困らない」という印象を持ったという。
また、吉田氏は「一般的な植物性ミルクは牛乳と比べると、粘性は無いが、新製品は時間が経っても、粘性を保つことができた。なおかつ、味も良かった。ラテアートは時間が経ってもどう変化するかが重要だ」。
次いで、小池氏は、「おいしさに加えて、アレルギーがないことも、安心して提供できる要素だ。また、ラテアートのやりやすさも特徴のひとつだと思う」。
開発にも携わった赤川氏は、「植物性ミルクでラテを作るのは非常に難しいが、『KOJI BARISTA EDITION』は牛乳と同じ質感でラテアートをすることができた」という感想を披露した。
優れている点については「牛乳よりも甘く、温度が下がっても味が変化しない。口当たりも良く、味が持続する。発酵食品ということが面白い。飲んだ後の体の温かさにも違いがある」などといった感想がバリスタからの意見として紹介された。
〈大豆油糧日報2024年12月10日付〉
配信: 食品産業新聞社ニュースWEB