始まりは「苦肉の策」だった
キッズ・フォレストは、代表取締役の田中賢一さんが、30歳で脱サラして、エノキダケ栽培をスタートし、創業した会社。
現在では「信州森のきのこ工房」というブランドとして、白いエノキダケ、茶色の山茶(原種)エノキ、舞茸、白舞茸、キクラゲなども栽培。茶色のエノキを使った、山茶なめ茸(醤油味、野沢菜、梅かつお)などの加工品も販売している。
「森のほたて」もそんな同社の商品のひとつだが、商品化は「苦肉の策」だったと語る。
きっかけは、同社でカットえのきの生産を開始したことだった。
エノキダケの株元部分が固まってしまい、商品性に欠けることが判明したのだ。
そこで、株元の部分だけをカットし商品化できないか検討。以前から取引のある長野県のローカルスーパー「ツルヤ」に打診したところ、「売ってみましょう」と担当バイヤーが受け入れてくれたことで、商品化にこぎ着けたという。
「カットしたえのきの部分を『森の穂先えのき』、株元の部分を『森のほたて』と名付け、共に商標登録をして販売しています。穂先えのきがあるから森のほたてがあるという関係になりますので、ほたてのみ単体では作れません」(田中さん)
せっかくなので、記者は「森のほたて」の魅力とおすすめの食べ方についても聞いてみた。
森のほたての一番の魅力は「食感の良さ」だと語る田中さん。名前のとおり縦に裂ける感じが「ほたてを思わせます」。
「味はもちろんえのきですが、株元にうまみが凝縮していますので美味しくいただけますし、えのきですので、色々な味付けになじみ和洋中どれでもいけます」(田中さん)
お手軽価格でホタテのような食感と、凝縮されたえのきの旨味を両方味わえる「森のほたて」。
購入できるのは長野・群馬に展開する「ツルヤ」や、一部の東京のスーパーなど。
あくまでカットえのきの副産物であり、大量生産できる商品ではない。特に東京のみなさんは見つけられたらラッキーかも?
なお、同社のエノキダケは成城石井でも購入できる。「森のほたて」が手に入らない場合は、こちらを自分でカットするのも一つの手かも?
ムキュムキュした食感で食べ応えがあり、確かにバツグンの美味しさだった!
配信: Jタウンネット
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