「免許を取ったことない」約50年無免許だった78歳男性が逮捕 どんな罪に問われるのか?

「免許を取ったことない」約50年無免許だった78歳男性が逮捕 どんな罪に問われるのか?

群馬県警に無免許運転の疑いで逮捕された男性(78)が、20代から無免許で運転していた可能性があると報じられた。

上毛新聞(12月7日)によると、男性は12月6日、群馬県内を軽自動車で走行。交通取り締まりをしていた警察官が踏切で停止しない車両を発見し、免許証を確認した相手が男性だった。「今まで一度も免許を取っていない」と話しているという。

約50年間も無免許で運転していたとは驚きだが、無免許の期間が長いほど刑罰も重くなるのだろうか。前島申長弁護士に聞いた。

●無免許運転は「ほとんどが略式裁判の罰金刑」で決着

──約50年も無免許運転していたら、刑罰はどうなるのでしょうか。

仮に今回のケースで起訴されたとしても、無免許運転50年分の量刑になるわけではありませんが、無免許運転を長年繰り返していたとして、量刑を重く判断する要素として働くことはあると思います。

──無免許運転の場合、どのような事情が判断材料になりますか。

無免許運転をすれば、免許の取り消しなどの行政処分のほかに、罰則(3年以下の懲役または50万円以下の罰金)を科せられる可能性があります。

罰則については、(1)同種前科や交通違反歴があるか、(2)無免許運転をする必要性(たとえば急病人を搬送する必要性)があったか、(3)人身事故が発生しているかなどが判断材料となります。

もっとも、無免許運転罪は、そのほとんどが略式裁判で罰金刑に処せられています。公判請求された場合でも、実刑判決が下されることはまれなのではないでしょうか。

──今回のケースはどうでしょうか。

約50年間の長きに渡り、無免許運転を繰り返したということであれば、厳格に処罰する方向に判断する要素になりえます。逮捕された男性は、無免許運転だけでなく、踏切で停止しなかったという違反もしているようですので、この点も同様の方向で判断されうるでしょう。

もっとも、人身事故には至っていないようですから、公判請求される可能性はそれほど高くないように思われます。

【取材協力弁護士】
前島 申長(まえしま・のぶなが)弁護士
前島綜合法律事務所代表弁護士 大阪弁護士会所属

交通事故・不動産紛争などの一般民事事件、遺産分割・離婚問題などの家事事件を多く扱う。中小企業の事業継承や家族信託などに注力を行っている。
事務所名:前島綜合法律事務所
事務所URL:https://maeshima.lawer.jp/

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