不妊治療を経験している夫婦は約20%
パートナーとの子どもが欲しいと望んで不妊治療をはじめたのに、治療が原因で離婚に追い込まれる夫婦がいます。不妊治療の経験がない人からすると、「どうして?」と疑問に思うかもしれませんが、不妊治療は夫婦が同じ熱量を持ち、協力し合ってこそ続けられるものなのです。
「国立社会保障・人口問題研究所」が行なった、「不妊治療」に関する調査結果を参照しながら解説していきます。調査は2021年6月、男女6834人の有効回答を採用したものです。「不妊の検査や治療経験の有無」について、22.7%の夫婦が「あり」と回答しました。つまり、4.4組に1組は検査や治療を受けているということになります。この数字を見ると、不妊治療を受ける夫婦は珍しくないと分かります。また、2022年の4月から不妊治療が健康保険適用になったこともあり、今後さらに治療を受ける人は増えていくと見られます。
不妊治療中に夫婦間でもめる原因
不妊は、女性の子宮や排卵が原因の場合もあれば、男性が原因の場合もあります。また、お互い健康であるにも関わらず原因が不明のケースも多く、不妊治療を長年続ける夫婦も少なくありません。では、夫婦で子どもが欲しいと望んでいる場合、なぜ離婚にまで発展するケースがあるのかと不思議に思いますよね……。ここからは、不妊治療中に夫婦間で揉める原因に迫ります。
「子どもが欲しい」という同じ目標に向かって努力しているはずなのに、夫婦で揉めてしまう……。その理由としてよくあるのは“どちらか一方が治療に積極的ではない”が挙げられます。 特に、「夫が協力してくれない」「全部人任せで何も調べない」などの理由で妻を怒らせ関係がギクシャクするケースは多い様子。
不妊治療は、どうしても女性の負担が大きくなります。仕事をしながらも治療は続くため、急に「2〜3日後に病院に来てください」と言われて予定を変更して通院するなんてことも珍しくありません。また、不妊治療でタイミング法を行う場合は、排卵日に合わせて性行為をするよう医師から指示されます。それに対して、夫はと言うと「今日は疲れている」「明日でも良い?」といった様子……。女性は自分ばかりががんばっていてバカバカしいと感じてしまい、夫へのイライラが止まらなくなる一連の流れができあがります。
このように、治療に対する温度差が原因となりケンカが増えて気まずくなると、日常生活の会話も減って、どんどん関係が悪化するのです。
配信: LASISA