ディズニーとアートの関係性とは?ウォルト・ディズニーの歩みとともに解説!

困難を何度も乗り越える強さ

~ 夢を叶えた一匹のねずみ ~

オズワルドに代わる新たなキャラクターを生み出すことを決意したウォルト・ディズニーは、ついに”ミッキーマウス”を生み出します。
「すべては一匹のねずみから始まった」
というウォルト・ディズニーの言葉は、とても有名です。

ミッキーマウスが登場する最初の短編アニメーションは、1928年5月15日に試写された『Plane Crazy』(邦題:飛行機狂)です。
しかし、当時は他のサイレントアニメーション映画と大差ないという理由で、配給会社から相手にされませんでした。

しかしその後の1928年11月18日、音声つきのアニメーション『Steamboat Willie』(邦題:蒸気船ウィリー)が大ヒットし、ミッキーマウスは華々しいスクリーンデビューを果たしました。
この日がミッキーマウス、ミニーマウス初のスクリーンデビューである為、二人の誕生日とされています。


筆者撮影

当時、音声付きのアニメーションは他からすでに出ていましたが、その中でも『蒸気船ウィリー』は世界初となる”サウンドトラック方式”を用いて制作されていました。
ここでもウォルト・ディズニーは人々の先を行き、新しい事を実践していたのです。

1937年12月21日には、世界初となる長編カラーアニメーション『Snow White and the Seven Dwarfs』(邦題:白雪姫)が公開され、空前の大ヒットを記録しています。


筆者撮影

『蒸気船ウィリー』が大ヒットしたものの赤字が続いたディズニー。実は多額の借金もあり倒産間近だったといいます。
しかし『白雪姫』には巨額の費用と年月が費やされ、一切の妥協もなく制作されました。
その努力の甲斐もあって桁外れの大ヒットとなり、ディズニーはまたも波に乗ってゆくのです。

その後公開された『Fantasia』(邦題:ファンタジア)では、またも史上初となる”ステレオサウンド方式”が用いられています。
常に映像表現の道幅を広げ、映画業界の最先端を行くウォルト・ディズニー。
まだ誰も成し遂げていないことでも躊躇せず挑戦し、努力を惜しまないウォルト・ディズニーだからこそ、次々と夢を叶え、また人々に夢や感動を与えることができたのでしょう。

ディズニーの世界へ没入できる夢と魔法の王国

~ 緻密に創られ散りばめられた魔法の数々 ~


HenningEによるPixabayからの画像

1955年7月17日、アメリカ カリフォルニア州アナハイムに、ついに世界初となる「ディズニーランド」がオープンしました。
誰もが注目し心待ちにしていたその様子は、全米に中継され人々を魅了しました。
開園のスピーチでは、「ディズニーランドはあなたのものです。大人はかつての記憶を懐かしみ、若者は未来への挑戦と約束を味わうでしょう。また、世界中の人々に楽しい思い出を作ってもらえる場所となるよう願っています。」と語っています。
映画と同様に、パークにもウォルトの妥協しない強いこだわりや夢、願いがたくさん込められているのです。

パークの中は一歩入れば数えきれないほどの魔法が散りばめられ、何もかもが完璧な、まさに”夢の国”ですが、それは人間のイマジネーションと緻密に計算され創りだされた努力の賜物です。


筆者撮影

建造物やBGM等ディズニーリゾートの中に造られたものは全て、見え方や感じ方、聞こえ方を意識して造られ、そこには何一つ無駄がありません。

例えば各国のパークの象徴とも言える”お城”ですが、東京ディズニーランドにある”シンデレラ城”では、外壁の石垣やタイルが上にいけばいくほど意図的に小さく造られています。
これは「強化遠近法」という、視覚効果によって実際の大きさよりも大きく見せる為にそうされているのです。
シンデレラ城だけではなく、ディズニーリゾート内のあらゆる所でこの方法は使われています。


筆者撮影

アトラクションのデザインや設計も、全て念密に考え込まれて造られています。
東京ディズニーシーにある”タワーオブテラー”では、”ホテル・ハイタワー”にまつわる物語と、ホテルの所有者である”ハイタワー三世”の性格が考慮され、いくつもの建築様式が合わさった建物にデザインされています。
つまり実際にはありえない形で建っているのです。


筆者撮影

その外観だからこそ、私たちは”タワーオブテラー”の不穏で不気味な雰囲気をより感じることができます。

異なる建築様式を混ぜてしまうなんて、普通の考えでは到底イメージできません。
まさに芸術と言えるでしょう。


flynn_chrisによるPixabayからの画像

もちろんそういった工夫は日本のパークだけではありません。
世界で2番目にオープンした、アメリカ フロリダ州オーランドにある「ウォルト・ディズニー・ワールド」。
その中のテーマパークの1つである”エプコット”にある球体「スペースシップ・アース」は、アトラクションでありながらも、その外観はなんとも近未来なデザインで目を引き、エプコットのシンボルともなっています。
建設時にはSF作家も携わったという徹底ぶりです。

そんな「スペースシップ・アース」は外観がカッコいいだけではなく、雨が降った際にゲストが濡れないよう、外側のパネルが水を吸い込むようになっています。
そうして吸い込まれた雨水は、エプコット内の湖”ワールドショーケース・ラグーン”に流れるようになっているのです。


flynn_chrisによるPixabayからの画像

念密に考え創られているのは、アトラクションや建造物だけではありません。
リゾート内にたくさん植わっている木々や花たち、そのどれもが意図してそこに在ります。


筆者撮影

パーク内では魔法にかかったかのように、キャラクターの姿になっている木々やお花をあらゆる所で見ることができます。

また、岩がディズニーのキャラクターの姿をしているロックワークも、とても迫力があり圧巻です。


筆者撮影

こういった芸術的な建造物や植物たちも全て、人々を楽しませる為に創られた”アート”と言えるのではないでしょうか。

ディズニーリゾート内のあらゆる場所で、このようなアートを見ることができます。
巨大な美術館・博物館・動物園等、全てが詰まった場所です。