冬の季節になり、めっきり冷え込むとともに乾燥シーズンが到来しました。気になるのは、やはり肌の調子。もちろん乾燥が肌によくないってことはご存じの方も多いはず。でもなぜ乾燥が、そしてどうよくないのか今回は専門家の方におうかがいいたしました。そして乾燥にとどまらず、紫外線やはたまた酸化などなど全部で5つの肌トラブルの原因に迫ります。
そもそも「老け顔になってしまう原因としくみ」とは?
「最近老けた気がするな」と、鏡を見ながら悩んでいる方もいるのではないでしょうか。老け顔に見られやすい人は、しわやしみ、ほうれい線が目立つほか、目の下のくま、目元やあごのたるみなどが特徴です。これは、老化現象の悩みとして挙げられる代表的なものです。これらは肌を構成する表皮や真皮 、皮下組織や筋肉などが加齢の影響で変化することと、加齢以外の外的要因が重なることで発生します。加齢にあらがうことはできませんが、この外的要因を解決し、老化を遅らせることは可能です。
【肌を構成する組織と老化による変化】
表皮:皮膚の一番外側にある層で、肌のケアに最も関わる部分。皮膚の乾燥などによって、しわになる。
真皮:表皮の内側にあり、肌の組織の大部分を占める。肌の本体ともいえる。皮膚の弾力低下などによりしわになる。
皮下組織:加齢によって皮下組織の脂肪の量が変化し、位置の移動などが起きて肌がたるむ。また、そのたるみによってしわが生じる。
筋肉:顔の筋肉は、いわゆる「表情筋」と呼ばれるもの。くり返し表情をつくることにより、「表情じわ」ができる。
その❶ 美容の一番の敵! しわ・たるみの原因「乾燥」
加齢とともに、肌のうるおいを保つ機能は衰えていきます。それに伴って、肌が乾燥するようになると、紫外線や細菌といった外からの刺激を受けやすくなり、肌トラブルを起こしやすくなります。また、乾燥によって肌のターンオーバー(新陳代謝)が乱れると、老廃物が排出されず、しみができやすくなります。私たちの肌の表面には、天然の保湿クリームともいえる「皮脂膜」があります。これが、肌内部の水分蒸発を防ぐ機能や、刺激から肌を守るバリア機能を担なっています。しかし、その成分となる皮脂の分泌量は加齢とともに減少し、バリア機能が低下して水分蒸発をまねくのです。また、角質層にある、肌のうるおいをキープするセラミドやエストロゲンといった成分も、加齢によって減少するため、肌内部の保水力も衰えていきます。
監修:日比野佐和子
医療法人社団康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾/SAWAKO CLINIC × YS 統括院長
大阪大学大学院医学系研究科未来医療学特任准教授、医学博士。アンチエイジングの第一人者として、基礎研究から最新の再生医療の臨床にいたるまで幅広く国際的に活躍する。
配信: オトナミューズウェブ