新聞社の名誉毀損記事、配信先のヤフーニュースには「責任なし」 最高裁が山本裕典さんの上告退ける

新聞社の名誉毀損記事、配信先のヤフーニュースには「責任なし」 最高裁が山本裕典さんの上告退ける

新聞社から配信された記事が名誉毀損にあたる場合、配信先の「ヤフーニュース」も責任が問われるべきだとして、俳優の山本裕典さんが起こした裁判の上告審で、最高裁第二小法廷(岡村和美裁判長)は原告側の上告を棄却する決定を下した。決定は12月11日付。ヤフー側に責任はないと判断した一審、二審判決が確定した。

判決などによると、原告の山本さんは、2020年7月に東京スポーツ新聞社が自社サイトで報じた記事で名誉を傷つけられ、配信先のヤフーニュースの記事にも権利侵害を拡大されたなどとして、東スポだけでなくヤフー(現LINEヤフー)の責任を問う裁判を起こした。

2023年3月の1審・東京地裁判決は、記事で書かれた内容の名誉毀損を認め、東スポに165万円の賠償を命じた。東スポとの争いについては、この1審判決後に決着している。

1審判決は、ヤフーの責任について、配信元の媒体社から記事が自動的に掲載される仕組みで、ヤフー側では記事を事前に確認しないなどの事情から、ヤフー社はプロバイダ責任制限法における情報の「発信者」に該当しないとして、責任を認めなかった。

また、問題になった記事が、ヤフー側の編集部が選定して載せるトップページの「ヤフートピックス」に採用されたわけでないことなども指摘した。2023年11月の控訴審・東京高裁判決も1審の判断を支持した。

山本さん側は裁判を通じて、権利侵害を拡大・深刻化させていたのは、日本最大のニュース配信サイトであり圧倒的なページビュー(月間のPV数は225億:2020年6月末当時)を誇るヤフーニュースの配信があったからだと訴えて、ヤフーも「発信者」にあたると主張していた。

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「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。
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