特性に悩んだら、その行動の理由に思いを馳せてみて
―ママが子どもの発達特性に気付くタイミングはいつなのでしょうか?
ゆみ先生:様々なサインはあるのですが、「他の子とちょっと違うかも」と思うことが一つのきっかけになることが多いです。特に日本は「みんなと一緒が良い」とされる文化でもあるので。
「他の子と違う」ことに落ち込むのではなく、「この子にはこの子なりの理由があってみんなと同じことをしていない」と捉える。そして、何か困っていることはないかと想像することが大切です。
例えば、言葉の発達が遅くて癇癪が強い子どもは、言葉がうまく喋れない分、体で感情を表現している状態なんです。それがわかれば、「癇癪がある困った子」ではなく「自分の意見をきちんと主張できる子」と捉えられますよね。
ちなみに、言葉の発達が遅い子どもは視覚情報で物事を判断することが得意な場合が多いんですよ。だから私も「子どもがなかなか言葉を話さない」というママの悩みを聞く時は、「言葉のやりとりに頼らず、目で見て判断する力がありそうですね」という話をします。
他の子と違うと感じても、発達特性として捉えて子どもの思考パターンを理解できれば、子育てはもっと面白くなるのではないでしょうか。
―私も子どもの癇癪に悩んだことがあったので、そうやって理解してあげれば良かったのか…と、反省もあります。
ゆみ先生:私も自分の子育てでは、3人目から落ち着いて子どもの特性に対応できるようになりましたよ。でも、子育てって本当にあっという間に終わってしまいます! 辛いなと思っても、ちょっと発想を変えてみる。子どもがギャーギャー騒いでいるなら「そんなに泣くくらいママのことが好きなのね…」というように(笑)。良い意味で半歩引いた視点で見ると、冷静に対応することができると思います。
子どもの行動には必ず理由があります。その理由や、その子ならではの思考パターンを見つめ直すトレーニングをすると、子育てが面白くなってきますよ。
目の前で子どもに癇癪を起こされると、「なんて悪い子なの」と頭に浮かびがち。でも3回に1回で良いので、「理由があって泣いているんだ」「訴えたいことがあるんだ」「ママがすごく好きで寂しいのかもしれない」ということに思いを馳せてみてください。
「得意」を見つけるために、外遊びや旅行などリアルな体験を
―子どもの特性をその子の魅力として花咲かせるために、親はどんなことを意識すれば良いでしょうか?
ゆみ先生:外遊びや旅行といったリアルな体験をさせてください。その中で何にハマるかを見れば、その子の将来像も見えてくるはずです。
また特性がある子は、習い事も、ありきたりな枠にはまらないこともあります。
我が家の長男にも発達特性があって。小学校に入るとMinecraftやプログラミングのスクラッチにハマっていたので、親としては、ちゃんと学んで将来に繋がったら…という思惑もあり、小学校3年生の時にプログラミング教室の体験に行かせました。すごく楽しそうだったので、「通って良いよ」と言ったところ、意外にも反応はいまいちだったんです。その理由を聞いたら「だって自分でできるんだもん」と。結局、特性とやりたいことがマッチすると、習わなくても理解できてしまうんです。
だから、もし学校という小さな世界の中で苦手なモノが多くて馴染めず、上手くいかなくても、その子には他に輝ける世界があるはず。その子の得意を見つけるために、体験や、習い事や別のコミュニティにどんどん連れ出してあげてください。
■書籍情報
『発達特性に悩んだらはじめに読む本』(Gakken)
著:西村佑美
後編では、ゆみ先生の子育てについてや、子どもとの関係がもっと良くなる接し方などをご紹介。ママなら知っておきたい知識盛りだくさんです♪
配信: mamagirl
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