被害者遺族の怒り 検察側は懲役22年を求刑
12日の第3回公判では被害者参加制度でこの裁判に参加していた、被害者の長女と長男がそれぞれの胸の内を語った。
被害者の長女)家族はとても強くつながっていたし、孫の面倒もよく見てくれていて、本当に愛してくれていた。今すごく母に会いたい。
母はハンマーで暴力をふるうような人ではなかった。
悲しみでいっぱい、涙が止まらない。
被告は罪に向き合っていない、反省などしていない。警察の怠慢だと言っていることについてはわけが分からない。
悲しみ、怒り、寂しさはさらに強くなった。どれだけ願ってももう母に会えない。
母を返してほしい。
被害者の長男)被告の供述はあいまいで不誠実。反省もしていない。
母に対する謝罪の言葉もなかった。とても許しがたいし許したくもない。
報いを受けるべき。被告人の死刑、または一生刑務所から出さないでほしい。
被害者遺族が涙で言葉を詰まらせながら話す中、志渡被告は下を向いたままその顔を上げることは一度もなかった。
その後の論告で検察側は「志渡被告が延本さんと口論の末、馬乗りになって暴行したことは強固な殺意に基づく」などとして懲役22年を求刑。
一方、弁護側は「志渡被告の犯行に計画性はない。また、脳の機能に障害があり犯行の開始、継続がしやすい状況にあった」などとして情状酌量を求めた。
この日の公判の終わり、志渡被告がこの裁判で自らがとった行動や態度について唐突に話始めた。
志渡被告)現場から発見されたものが真弓の身体の一部だけだったので、警察の捜査に不満が沸いた。
調書を読み上げられたが違っていると思う点があった、第三者が書き加えているようだった。
自分は真弓を殺したことについては否定しない。謝罪しようと思ったが、土下座しようと思ったけど罪を軽くしようと思われているのが嫌で、法廷でどう動いていいかやっていいのか分からなかった。
下された判決 被告からの謝罪はー
12月13日、判決の日。
志渡被告は3mmくらいに頭を刈り上げて法廷に姿を現した。自分なりに反省の意を示していたのだろうか。
証言台の前に立った志渡被告に言い渡された判決は懲役19 年。
釧路地裁の井草健太裁判長は「口論の末、被害者に馬乗りになって殺害したことは、計画性はないとしてもその殺意は強固である。また、脳の機能障害については殺害の判断に影響はない」とした。
下を見つめたまま微動だにせず、判決を聞いていた志渡被告。
しかし、判決が読み上げられ裁判が終わろうとして瞬間、腰に手を当てて一言。
「これで終わりかよ」。
最後まで被告の口から語られなかった被害者への謝罪と犯行の動機。
弁護側は被告と面会し、控訴するかどうかを決めるとしている。
配信: SODANE
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