シカ、タヌキ、イノシシ……。山の近くを車で走っていると、そんな野生動物たちへの注意を促す標識を目にすることがある。黄色いヤツだ。
Jタウンネットではこれまで「カニ注意」や「カエル注意」なんて変わり種標識も紹介してきたが……2024年11月28日にXに投稿されたこの写真には、大いに驚かされた。
標識に描かれているのは、ヘリコプターだ。かなり珍しい。
道路好きのユーザー、「たこ@道路好団垢」(@road0724day)さんが「激レアな警戒標識『ヘリコプターに注意』」と紹介したこちらの1枚。投稿によると、標識の背後には本当にヘリポートがあったそう。
しかし、ヘリコプターに注意とは……どういうことだろう? 「ヘリコプターが飛び出すおそれあり」ってこと……?
Jタウンネット記者は、投稿者「たこ@道路好団垢」さんと、標識の設置者にの話を聞いた。
ヘリポートの中心から国道まで、わずか10メートル程度
投稿者・たこさんによると、標識は大鹿村役場の真横に立っているという。大鹿村(おおしかむら)は長野県下伊那郡の北部に位置する村で、赤石山脈と伊那山地に挟まれた山間の土地だ。
撮影は、2024年11月15日の午後4時ごろだった。初めて訪問した大鹿村について、たこさんが振り返る。
「ヘリポートが国道152号線の真横にあり、確かに近いと思いました。ヘリポートの中心から国道まで、わずか10メートル程度しかありません」
「ただし、頻繁にヘリコプターが離発着しそうな場所ではなく、撮影中も、ヘリコプターと遭遇しそうな気配はありませんでした」(「たこ@道路好団垢」さん)
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ヘリコプターには、どれくらいの頻度で注意する必要があるのだろうか? Jタウンネット記者は大鹿村役場に電話で確認してみた。総務課の職員が取材に応じ、ヘリポートの名称は「大鹿ヘリポート」だと説明してくれた。
「おそらく2006年、2007年ころにできたものでしょう」(同職員)
ヘリコプターに注意の標識も、「そのころ設置されたものだと思います」とのことだった。
「このヘリポートは、主にドクターヘリの発着用に用いられています。大鹿村から飯田市の病院に緊急に搬送するために使われるものです」(同職員)
救急用なので、めったにヘリコプターの姿を見ることはないが、離着陸の際の風圧で、砂や小石が飛び散ることもある。
標識は、通行する車両に注意を呼びかける目的で設置されたという。国道152号線は、土木建設業や林業の車がけっこう頻繁に通るそうだ。
ドクターヘリとの遭遇は、めったにない方がいい。もし見かけたら、徐行運転をしてどうかご協力を。
それはさておき、珍しい標識を見るためだけに、大鹿村まで出かけてみるのは、おもしろいかもしれない……。
配信: Jタウンネット
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