気温の高い日が続いていたものの、師走の声と共に冬の気配が足早に訪れ、平年より2週間も早く初霜と初氷を観測した2024年。12月1日の解禁日から、座布団サイズの大判が上がり、数も順調に釣れているという日立久慈沖の“寒ビラメ”。思い出に残る大物との出会いを夢見て、茨城県日立久慈港の「大貫丸」を訪ねた。
安全第一、受付から乗船の流れがスムーズ
「大貫丸」が停泊する日立久慈港は、常磐自動車道・日立南太田ICから車でおよそ15分。受付開始となる集合は船着場に午前5時20分だが、早めに到着すれば船の近くに車を停められる。
4時半頃には船長や中乗りさんが到着し、船や受付の準備が始まる。まず乗船名簿に必要事項を記入し、予約順に割り振られた座席表を確認。おおむね5時過ぎには予約の釣り人が船前に集合し、5時20分頃から乗船料の支払いと乗船が開始となる。
受付から乗船までの流れは安全かつ効率的。日の出前のデッキは凍って滑りやすくなるため、大船長、若船長、中乗りさんの4人がマンツーマンで乗船や道具の積み込みを手伝ってくれる。受付開始前に自分に割り振られた座席番号を確認・覚えておくと何かとスムーズだ。
かくして出船準備は滞りなく整い、午前5時30分過ぎ、「第5大貫丸」は暁暗の海へと出船した。
竿入れからアタリ活発!
出船後、蒸気霧の立ちこめる海を進むこと約20分で日立沖の釣り場に到着。水深25m前後、長い防波堤の沖合い。船長から「オモリを引き摺らないように」との指示があり、この日の釣りはスタートした。
開始早々、船内のあちこちで竿が曲がり、イナダからワラササイズのブリの若魚が次々とヒット。船長と中乗りさんがタモ入れに奔走するが追いつかないほどの喰いっぷりで船中が熱気に包まれる中、最初にヒラメを上げたのは左舷の胴の間。その後も太陽が顔を出すまでの約1時間、青物の猛烈な喰いとファイトが絶え間なく続き、本命のヒラメがそれに混じるような展開に。饗宴のような好釣に恵まれ、各釣り座の魚桶はみるみる満たされていった。
陽が昇る頃、青物のアタリは遠のき、船上は徐々に落ち着きを取り戻したものの、上がるヒラメのサイズは次第に大きくなっていった。流し替えるたび、どこかの釣り座で竿が曲がり、全体的にコンスタントに釣果を上げている印象を受ける。イワシが南下し、大型ヒラメが回遊し始めるシーズン本番はまだまだこれから。ところが居着きのヒラメもコンディションが極めて良く、この海域の豊かさには毎年のことながら感嘆させられる。
配信: 釣りビジョンマガジン