「猫は魚介類が好き」というイメージをもつ方もいるかもしれませんが、実は猫にとってイカ・タコ・カニは危険な食べ物のひとつとされているのをご存じでしょうか? 今回は、この3つの食材がなぜ猫にとって危険なのか、獣医師の岡本りさ先生に詳しくお話を伺いました。
イカを猫に与えると危険な理由
生のイカには、ビタミンB1(チアミン)を分解する作用のある、チアミナーゼという酵素が含まれています。ビタミンB1は、生物が生きていくのに重要なエネルギー源となるもの。完全肉食動物といわれる猫が必要とするビタミンB1の量は人の約4倍ともいわれ、チアミナーゼによってビタミンB1が分解されてしまうと、猫はビタミンB1欠乏症という病気を発症しやすくなるので注意が必要です。
ビタミンB1欠乏症とは
猫がビタミンB1欠乏症を引き起こすと、以下のような症状があらわれます。
初期症状:食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢など
進行症状:めまい、ふらつき、筋力の低下など
重篤症状:けいれん、昏睡状態など