下瀬美術館 可動展示室と瀬戸内の多島美 ©SIMOSE
ベルサイユ賞とは
ベルサイユ賞は、ユネスコ本部で創設された権威ある世界的な建築賞です。
創設以来、世界中の空港、商業施設、ホテル、スポーツ施設など7つのカテゴリーを対象に、著名な建築家や哲学者らがそのデザイン性や革新性、そして文化的意義を審査し、選出を行っています。
10周年を迎えた2024年に「Museums」(美術館・博物館)のカテゴリーが新設され、下瀬美術館を含む世界の7施設が「世界で最も美しい美術館(The World’s Most Beautiful Museums)」として選出されていました。
◆2024年「世界で最も美しい美術館」ノミネート施設
・A4 Art Museum(中国)
・Grand Egyptian Museum(エジプト)
・Smritivan Earthquake Museum(インド)
・Simose Art Museum/下瀬美術館(日本)
・Paleis Het Loo(オランダ)
・Oman Across Ages Museum(オマーン)
・Polish History Museum(ポーランド)
「世界で最も美しい美術館」に選ばれた理由とは
下瀬美術館が「世界で最も美しい美術館」に選出された理由として、ベルサイユ賞の事務総長であるJérôme Gouadain氏は、以下のようにコメントしています。
◆世界ベルサイユ賞機構 事務総長 Jérôme Gouadain 氏のコメントの抜粋
下瀬美術館のプロジェクトは多くのものを表現していると思います。例えば、色使いが非常に興味深く、とても珍しいと言えます。美術館・博物館ではこのようなカラフルなデザインはあまり見られません。またこのプロジェクトは「軽やかさ」をも同時に表現しています。外部と内部の融合が見事で、これが審査員に大きな感銘を与えたのだと思います。
「アートの中でアートを観る。」というコンセプトで設計された下瀬美術館。
施設を象徴する水盤に並ぶカラフルなキューブ型で構成され水の浮力によって動かし配置パターンの変更が可能な世界でも類のない展示空間「可動展示室」や環境を最大限に活かした季節の草花が風にそよぐ「エミール・ガレの庭」、瀬戸内の多島美を望める展望エリア「望洋テラス」など、コンセプトに沿った様々な表現方法、それを叶える優れた建築技術が審査員に高く評価された結果かもしれません。
配信: イロハニアート