町田啓太と竹内涼真が共演する映画『10DANCE』が、2025年にNetflixで配信される。
ふたりの共演は『スミカスミレ 45歳若返った女』(テレビ朝日、2016年、以下、『スミカスミレ』)以来。配信前から、再共演で描かれるBL的ダンス世界への妄想像がふくらむのだけれど……。
イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、町田啓太の新たなスタンダードになると思う本作について、妄想解説する。
竹内涼真と町田啓太が体現するBL世界の美しさ
「身体を重ね、眼差しを交わした瞬間、優美さの裏側に潜む秘めた感情や情熱とともに」
Netflixで配信予定の映画『10DANCE』制作発表のコメントに、大友啓史監督がそう書いている。原作者の井上佐藤は「官能とその先にある歓喜」と付け加えるように、どうやら本作で主人公のふたりを演じる竹内涼真と町田啓太が体現するBL世界の美しさは並大抵ではないらしい。
ラテンダンス日本チャンピオンである鈴木信也(竹内涼真)とスタンダードダンス世界2位の杉木信也(町田啓太)が、専門をこえて作品タイトルの10ダンスに挑戦する。ラテンとスタンダード、それぞれの5種目ずつ(10ダンス)を互いに教え合う練習中、向かい合うふたりが組むホールドによって自然とコミット(合体?)する……。
原作の簡単な筋を聞いただけでも沸き立つものを感じる。それが竹内涼真と我らが町田啓太のフィジカルとして演じられると想像しただけでどうにかなってしまいそうである。
町田啓太が醸す優美さの始点
本作が配信されるまでの間、ぼくらがこのBL世界に対して自由に妄想像する時間はたっぷりある。というわけでいくつか原作漫画のページをめくってみる。するとまだ数ページという冒頭場面に優美なギミックがある。
5種目で競われるスタンダードを専門とする杉木が踊る場面である。曲は「メリー・ウィドウ」。フランツ・レハールが1905年に初演したオペラ曲だ。弦楽によるメロディは聞き覚えある人も多いかもしれない。
ルキノ・ヴィスコンティ監督の代表作『ベニスに死す』(1971年)では、主人公グスタフ・アッシェンバッハが美少年タジオを初めて目にする場面でこの曲が使われている。なんともやわらかな官能のムードがあるこの曲は、町田啓太が醸す優美さの始点になるのではないかと思う。
配信: 女子SPA!