一度だけ不倫した妻に「恥ずかしくないんですか?」“赤の他人”が猛攻撃。妻が返した“特大の嫌味”は|ドラマ『わたしの宝物』

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「今後、娘との面会は希望しない」身を退こうとする宏樹

 離婚は決定的となり、弁護士が入って粛々と進んでいく。そして美羽はある日、宏樹の弁護士から連絡を受ける。

「最後に3人での面会を希望されています」と。

 宏樹は今後いっさいの娘との面会を希望しないという。言われた日時に、指定された動物園に行ってみると、そこにいたのは冬月だった。

 そのころ、宏樹はスマホから、美羽と栞の写真を次々と削除していた。


 宏樹は身を退こうとしている。夫という立場も、父親という立場も振り捨てて、美羽と冬月が一緒になるべきだと思ったのだろう。あの美羽の告白を聞けば、宏樹がそういう決断をするのはわかりきったことだったのかもしれない。

「たいせつなものってどうしたらいいんでしょうね」と宏樹は喫茶店のマスター(北村一輝)に尋ねる。マスターは胸を指しながら、「ここにしまっておいてもダメージ食らうし……むずかしいね」と答えるしかない。

最終回。3人は、それぞれの道を歩き始めるのか

 それにしても、たいせつな人にはたいせつなことをきちんと面と向かって話すことが重要なのだろう。美羽と宏樹ももっと早く話せたら、もっと正直になれたら、現状のようにはならなかったかもしれない。そして第三者に惑わされないことという教訓もある。莉紗や真琴のような、おためごかしの親切やおせっかいには耳を塞いだほうがいいこともある。


 さて最終回。3人は、それぞれの道を歩き始めるのか。宏樹は本当に栞との面会を望まないつもりなのか。今回もせつない演技が光った田中圭演じる宏樹の決断が気になるところだ。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio

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