●問題の根本原因にはニコチンの依存症
——今回のような相談事例は多数寄せられています。
私自身も、この種の相談を非常にたくさん受け、不幸な状況を見てきました。
敷地内や全館が禁煙のマンション・アパートがもっと増えて、住宅の分煙化、住み分けが進んでほしいと思います。行政や保健所にもこの問題に関わって欲しいと思います。
そもそも、この問題の根本原因には、ニコチンの依存性があり、他者危害を及ぼしても喫煙を優先し継続するのは、依存性薬物ニコチンの「乱用」行動といえます。
税収のために依存性商品であるタバコの供給を国策にしてきた「たばこ事業法」と、政府(財務省)が日本たばこ産業株式会社(JT)の株式を三分の一超保有するとしている「日本たばこ産業株式会社法」を見直すべき時代に来ていると考えます。
【取材協力弁護士】
岡本 光樹(おかもと・こうき)弁護士
1982年岡山県生まれ。2005年東大法卒、06年弁護士登録。国内最大手の法律事務所などを経て、11年に独立。企業法務や労働案件、受動喫煙に関する係争・訴訟、家事事件などを 幅広く扱う。第二東京弁護士会で人権擁護委の受動喫煙防止部会長などを務める。厚生労働科学研究費補助金研究事業「受動喫煙防止等のたばこ対策の政策評価に関する研究」班研究分担者。2017年から2021年7月まで東京都議会議員。
事務所名:岡本総合法律事務所
事務所URL:http://okamoto.2-d.jp/akiba.html
配信: 弁護士ドットコム