不登校の小中学生34万人超。でも「復帰させなければ」と躍起になるよりすべきこと。子どもの精神科看護師を取材

不登校の小中学生34万人超。でも「復帰させなければ」と躍起になるよりすべきこと。子どもの精神科看護師を取材

子どもの話をひととおり聞いてから共感する


 こど看さんの勤務する病院では、保護者が子どもとの関わり方を学ぶ「ペアレントトレーニング」も実施しているそう。子どもたちに「どう声をかけたらいいか分からない」と悩む保護者に対して、日々、看護師としても心がけるコミュニケーションの方法も教えてくれました。

「お子さんの話をひととおり聞いてから『そうなんだね』と繰り返し共感するのが大事だと思います。知識も経験もある大人からみると、お子さんの話は突拍子もなく聞こえるかもしれません。会話の流れから察して『学校に通えないのはこんな理由でしょ?』と口を挟みたくなるかもしれません。

子どもの意向を軽視して登校にまつわる環境の調整を大人主体で行うと、子どもの立場からすれば「自分は軽視されている」と感じる可能性は大いにあります。そのような状態の中で、問い詰めるように『なんで、学校に行かないの?』と質問を重ねても心を閉ざしてしまうので、『理由を聞き出したい』という気持ちをグッとこらえて、お子さんのペースに委ねて、あくまでその子が話せる時に、話せる分だけ話してもらうといったスタンスで子どもと関わります」

 不登校は問題行動ではないーー。この認識を多くの大人が持てるようになれば、当事者や家族の苦しみももう少し軽くなっていくのかもしれません。

<取材・文/カネコシュウヘイ>

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