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気温が上がってくる春は、積雪が溶けて「融雪災害」が起こりやすくなります。特に洪水と雪崩、そして土砂災害への備えが必要です。
この記事では、融雪災害が起こる原因や災害に気を付けるべきエリア、活用すべき気象情報などを紹介します。
融雪で洪水・雪崩災害が起こる理由
「融雪」とは、大雨や気温の上昇などで雪が溶ける現象です。融雪が起こると以下の3つの災害が発生しやすくなります。
・洪水
・雪崩
・土砂災害
融雪と洪水災害
融雪によって洪水が発生するのは、多量の積雪が急激な気温上昇によって溶けて、河川を増水させるためです。
特に低気圧の接近に注意ください。低気圧の接近で気温が上昇するときは、融雪が進むだけでなく、低気圧がもたらす大雨によって河川の増水が生じるため、洪水への備えがより一層必要になります。
融雪と雪崩災害
融雪で雪崩災害が発生するのは、雪溶け水や雨の影響で積雪と地面との摩擦が小さくなって、斜面の雪がすべり落ちるためです。
雪崩には、表面の雪が崩れ落ちる「表層雪崩」と積雪すべてが崩れ落ちる「全層雪崩」の2種類があります。融雪によって起こるのは主に全層雪崩です。
ちなみに全層雪崩が発生する前には、以下のような兆候が見られます。
・斜面に雪面がたるんでしわのように見える「雪しわ」がある
・斜面の雪面に亀裂が入っている
・雪玉が転がる
また全層雪崩は、斜面の勾配が35~45度で樹木がなく地肌が露出しているところで発生しやすい特徴があります。
融雪と土砂災害
融雪で土砂災害が発生するのは、雪が水になって地表に達し、そのまま土壌にしみ込んでいくためです。
溶ける雪の量が多ければ多いほど地中に浸透する水の量も多くなり、大雨が降ったときと同じような状況になります。そのため、融雪が発生すると地盤のゆるみや崩れが起こりやすくなります。
土砂災害の前兆として、
・地面のひび割れ
・井戸の水量の増加
・山の斜面から木が裂けるような音
・山の斜面での落石
などがあります。
融雪災害はこんなときに起こりやすい
融雪災害は、低気圧が日本海を東に進む場合(日本海低気圧)に、特に発生しやすくなります。
低気圧の南側では暖かい南風が吹くため気温が上がります。低気圧や前線から近いエリアでは雨も降りやすいので、融雪はさらに進みます。
配信: 防災ニッポン