年末年始に遠出する計画はありますか?家族旅行は楽しみとはいえ、乳幼児期の子連れ旅行の移動には悩みがつきものです。「たまひよ」アプリユーザーから寄せられた子連れ旅の不安について、内科医であり漢方医でもある陣内厚子さんにアドバイスしてもらいました。
楽しみだけど、不安もいっぱい。子連れ旅行のお悩みとは?
まず、みんなが旅先で不安なことをご紹介します。
◾️渋滞にはまったら…
「渋滞にはまってしまった場合、おむつ替えやミルクを車内で済ませる可能性があるのが心配です。また、SAに辿り着いたとしても授乳室が混んでいそうなので考えただけで気疲れしてしまいます」(ゆきなな)
◾️長時間移動が心配
「私の出身が新幹線で2時間、車で10時間の距離なので、今後、帰省が大変だなと思っています」(ぴろ)
◾️おむつ替えの場所はある?
「まだ離乳食も始まってない完母なので、授乳とおむつ替えできる場所を転々としなければならないので心配。子どもの体力的にどこまでの遠出をしてもいいのかわかりません」(ぴーこ)
◾️心配しすぎてぐったり
「離乳食を外であげたことがないので、そこがいちばん不安です!最初に旅行に行った時は、哺乳瓶をどれくらい持っていくか、ミルクをあげるタイミングやおむつを替えるところがあるか、寝かせるところは安全か、泊まるところは赤ちゃんに優しい宿かなど、いろいろ心配して疲れました」(ぴろ)
◾️ギャン泣き
「移動中(車の中、公共交通機関)に、ギャン泣きし始めないかをいつも気にしています」(あやな)
◾️急病になったとき
「子どもが突然体調を崩した場合、近くに病院があるかが心配です」(さき)
◾️静な場所でのグズり
「まだまだ生活のリズムができていないので、これから美味しいご飯!というタイミングや静かな場所に行く時にグズってしまったらどうしようと心配になります。また、起きている時も抱っこしていないと泣くことが多いので、味や食べたいものよりも、抱っこ紐のままご飯を食べられるかを最優先にしないといけないのが気がかりです」(S)
長時間移動や外出で気をつけたいことは「子どもの体調を第一に」
長距離移動は不安がいっぱいです。備えておきたい注意ポイントを陣内厚子さんにアドバイスしてもらいました。
「私も子どもが幼い頃から飛行機や長時間車内移動を経験しましたが、遊び道具など準備しても実際には移動中の閉所でギャン泣きに困った思い出があります。今となっては赤ちゃんが泣いていても、保護者に『そんなに気にしないで』と、伝えたい気持ちです。
子連れでの遠出や旅先で最も気にかけたいのは、お子さんの体調です。
子どもは大人よりも小さく、外界の温度変化に対する身体の調節能力が未熟なため、暑さ・寒さ・湿度により注意を払う必要があります。
大人にとっては問題ない程度の暑さでも熱中症になったり、寒い風ですぐカゼをひきやすいです。特に冬季は空気が乾燥し、感染症が流行る時期で、移動中に病原ウイルスをもらうこともあります。
予防として温度調節できる上着や帽子、首元・足元を保温できる衣類の工夫も大事ですし、基本感染対策である手洗いや除菌ができるグッズがあるといいでしょう。除菌に関しては、『手』に重きをおくといいです。
また、母子手帳やお薬手帳を持参し、いざという時には旅先でも小児科にかかれる準備が必要です。
暑い夏や、冬季の乾燥した空気、授乳がなかなかできないような環境下で、お子さんに水分補給ができるもの(常温ゼリーや赤ちゃん用のお茶など)を持参するのも有効です。離乳食も、現在では種々の保存・持ち運び可能な市販品が揃っています。食中毒予防や移動に便利ですので、旅先ではこれらのものに頼るのも手ではないでしょうか。
旅行中は食事やおむつ替えの時間が乱れることがあり、そのようなときはお子さんの体調が心配になるかと思います。食事やおむつ替え時間が多少乱れても、お子さんが脱水にならないように、特に水分補給に気をつけるといいでしょう。
お子さんと一緒に大人も旅行を楽しめるように、事前準備として、旅先の体調不良時に相談できる場所(小児科や休日診療救急外来の電話先など)をチェックしておくと安心でしょう」(陣内厚子さん)
子連れの長時間移動は不安がいっぱいですね。特に冬は感染症の予防対策など気になることばかり。陣内さんのアドバイスを参考に旅の事前準備をしてみませんか。
(取材・文/酒井範子、たまひよONLINE編集部)
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2024年11月の情報で、現在と異なる場合があります。
配信: たまひよONLINE