部屋の状態とメンタルの不思議な相関関係を読み解き、「重い腰が上がる、魔法のフレーズ」を詰め込んだ、おむらちもさんの『不思議なくらい部屋が片づく魔法の言葉』。「これまでの片づけ本とは全然違う!」と話題を呼んでいます。本書から一部をご紹介します。
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片づけの”コツ”は最終ゴールを意識すること
片づけが苦手な人の共通点はいくつかありますが、中でも多いのは片づけをただの「タスク」や「作業」と捉えているケースです。そうすると、片づけがしんどいイメージになってしまうので、そんな方はまず「どんな部屋にしたいか」という最終ゴールを意識してみてください。
「将来どんな素敵な部屋に住みたいか」と具体的にイメージすることで、「タスク」や「作業」ではなく、気分が上がる“未来への通過点”として考えることができるようになると、心と体が軽くなり、不思議なほど片づけが進んでいかれる方が多いんです。
私の講座では、「自分を大切にできる癒しの空間」というテーマを掲げて、具体的に考えてもらうようレクチャーしています。
私はインテリアコーディネーターでもあるので、インテリアの力も利用しながら、「自分にとって快適でほっこりする空間ってこんな感じ」というイメージをしてもらいます。
ここでも何が正しい、何が間違っているということはありません。
自分軸で考える癒しの空間は、本当に多種多様です。
(イラスト/ひえじまゆりこ)
イメージがうまくできない人には”心理的なブロック”がある
そうはいっても最初はなかなかイメージできない方もいらっしゃいます。そんな方は、心理的なブロックがあって、イメージがスムーズに出てこない状態になっていたり、素敵な部屋が自分に相応しくないと思って、想像するのをやめている場合もあります。
ある生徒さんは、「未来の素敵な部屋をイメージすることがとても怖い」とおっしゃっていました。その方は、小さい頃からお母さんに「あなたが何か選ぶと失敗するから、私の選んだ物にしておきなさい」と何度も言われてきたそうです。
そのせいで、今までの人生で、自分で何かを選ぶことを極力避けてきたと言われていました。
未来の癒しの空間は、イメージの中とはいえ、自分の選んだものだけでできた世界。それがその方にとっては、失敗してうまくいかないんじゃないかと怖くなって、イメージすることを拒否していたようです。
その方のセルフイメージを聞いてみると、「私は失敗する人だ」「私はセンスのない人だ」という言葉が出てきました。
そこから、その方は、過去のお母さんとのやり取りから、自分の行動を制限する言葉を無意識にかけ続けていたことを自覚されました。
何かにチャレンジしようと思っても、「私は失敗する人だからやめておいた方がいい」「失敗したら恥ずかしいよ」ともう一人の自分が声をかけているのに気づき、その度に、「私はうまくいく人だ」「失敗しても大丈夫」「私はセンスのある人だ」と真逆の言葉をつぶやいてもらいました。そして、失敗しても自分にダメ出しをしないという約束をしてもらいました。
もしも失敗したと感じた時は、「失敗したのはチャレンジしたから。チャレンジできて偉かったね!」と声をかけてあげることに決めました。そんな自分との約束ができたことが安心感に繋がり、不思議なくらい、どんどん片づけが進んでいきました。
配信: 幻冬舎Plus