大晦日ではもう遅い!しめ飾りを出すタイミングはいつ?【年末から年始のマナー】 / Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)
各家庭の玄関に飾られた色とりどりのしめ飾りを見ると、お正月だなあという気分になりますよね。ただし、しめ飾りなどのお正月飾りを飾る時期には、しきたりがあります。散らかった玄関やリビングに飾るのも、じつはNG。そこで、「現代礼法研究所」主宰の岩下宣子先生に、お正月飾りを飾るタイミングや飾る際の注意点について教えてもらいました。
清浄な場を表すしめ飾りは大掃除後の12月26~28日に
本来は、12月13日から、計画的にお正月の準備を始めるのが理想です。
「古くから12月13日は『正月事始め』と言って、お正月の準備を始める日とされて来ました。一連のお正月行事には、“年神様を手厚くもてなす”という意味があります。その意味を理解して、新年の幸せと健康を運んでくださる年神様をお迎えしましょう」(岩下先生)
ただ、現代はどこの家庭でもクリスマスを祝うので、25日を過ぎてからお正月の準備を始めるのが一般的です。
お正月飾りには、「しめ飾り(しめ縄)」や「門松」「鏡餅」などがあります。
なかでもしめ飾りは、「ここは掃除を済ませた神聖な場所です」と年神様に示す印なので、必ず大掃除が終わってから飾りましょう。
「毎年新年にやってくる年神様は、清浄な場所を好むので、明るく清潔な場所にしか降りていらっしゃいません。ですから、本来、年末の大掃除は自分や家族のためではなく、年神様を迎えるために行うものなんです。家全体を掃除する時間がなければ、キッチンやお風呂、トイレなどの水回りと、鏡餅を飾る部屋(リビング)だけでもお掃除すると、気持ちよく新年を迎えられますよ」(岩下先生)
いつ飾るかも大切です。
9が付く日は「九=苦」に通じるため、よくない意味をもちますが、特に29日は「二重苦」となるので縁起が悪いとされています。
また、大晦日の31日は「一夜飾り」と言われ、一夜にして準備が整う葬儀に通ずるため、年神様の失礼にあたるので避けたほうがいいでしょう。
門松や鏡餅も含めて12月26~28日の間、それが難しい場合は30日に飾りましょう。
お正月飾りは地域によって飾る期間が異なり、関東は1月7日、関西は15日に取り外すのが一般的です。
鏡餅を食べる「鏡開き」も、関東は1月11日、関西では旧暦の二十日正月にあたる1月20日に行うところもあるので、お住まいの地域の習慣に合わせるようにしてください。
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岩下先生によると「お正月の準備は一人でやらないで、家族に手伝ってもらいましょう。大掃除の際はお子さんに、“神様はきれい好きなのよ”と理由も教え、おもてなしの気持ちを込めて掃除ができると理想的ですね」とのこと。大掃除は家族のイベントにして、楽しく乗り切りましょう!
岩下宣子先生
教えてくれたのは…
▶岩下宣子先生
「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学ぶ。現在はマナーデザイナーとして、企業、学校、公共団体などで指導や研修、講演会を行う。『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(中経の文庫)、『相手のことを思いやるちょっとした心くばり』(三笠書房)など著書多数。近著に『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』(主婦の友社)。
文=高梨奈々 イラスト=きたがわなつみ
配信: レタスクラブ
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