「冬至」の日には運気をアップさせる行事食を食べて
冬至の日には「陰極まりて陽生ず」「一陽来復(いちようらいふく)」という言葉があり、陰陽五行思想では冬至の日には陰の気が1年で最も強くなり、この日を境に陽の気が増していくと考えます。そのため、紀元前の中国では冬至の日は太陽が生まれ変わる日として祝う習慣がありました。この太陽の生まれ変わりに乗じて運気をアップさせようとして生まれたのが行事食です。
冬至の行事食として最も有名なものはかぼちゃではないでしょうか。かぼちゃが選ばれた理由は諸説ありますが、黄色は昔より魔除けの色とされているうえ、保存が効いて栄養価の高いかぼちゃを寒い時期に食べることで風邪や感染症を予防し、無病息災を願ったと言われています。また、名前に「ん」が付く食材を食べると運気アップにつながると信じられており、別名「なんきん」の中に「ん」が2つも入っているかぼちゃが選ばれたとも言われています。
名前に「ん」が入っている食材として、なんきん(かぼちゃ)をはじめ、れんこん、にんじん、ぎんなん、きんかん、かんてん、うんどん(うどん)があり、これらを「冬至の七草」とも呼ぶそうです。関東地方を中心とした一部の地域では小豆を使った料理が食され、小豆を入れた「冬至粥」も行事食として定着しています。古来より、中国や日本では赤色には魔除け効果があると信じられており、中国最古の薬物書では、小豆の煮汁を解毒剤として使ったとする記述も残っているそうです。新年や節分の際、神社でおしるこが振る舞われるのも邪気払いのためです。
行事食ではありませんが、冬至と言えばゆず湯も欠かせません。冬至の日にゆず湯に入るのは、香りが強いゆずを入れてお湯につかることで、邪気を払って運気アップを狙うため。一説によれば、ゆずを入れることで「融通が効きますように」、冬至と湯治と語呂合わせしたとされています。太陽の力が弱まり、寒さも増す冬至の日。栄養たっぷりのかぼちゃを食べた後は、ゆっくりゆず湯に浸かって体をしっかり温めて体を癒してくださいね!
(水浦裕美)
配信: LASISA
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