健康診断で赤血球が多いと言われたらどうすべき?Medical DOC監修医が血液検査の見方や基準値・主な原因と病気のリスク・対処法などを解説します。
≫「血液検査」で何がわかる?検査でわかる病気や項目について医師が徹底解説!
※この記事はMedical DOCにて『健康診断で「赤血球が多い」と診断される原因はご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)
奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。
健康診断の「血液検査」の見方と再検査が必要な「赤血球が多い」に関する数値・結果
ここまでは診断されたときの原因と対処法を紹介しました。
再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。
以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。
健康診断・血液検査の「赤血球」の基準値と結果の見方
赤血球とヘモグロビンの正常値の基準値を示します。数値には個人差や性差があり、多少の値の差は問題ありません。
男性
女性
赤血球数
427-570×104(/μL)
376-500×104(/μL)
ヘモグロビン
13.5-17.6(g/dL)
11.3-15.2(g/dL)
健康診断・血液検査の「赤血球」の異常値・再検査基準と内容
赤血球の値が異常値と出た場合、これまでご紹介したように他に血球成分(白血球)やヘモグロビン、MCH、ヘマトクリットなども参考にしながら原因を探ります。
健康診断などで一度引っかかった場合は、もう一度血液検査を受けることが多いです。これは脱水などによる相対的な赤血球増多症の可能性を排除するためです。この再検査に関しては一般内科など血液検査ができるところであれば問題ありません。
この再検査でも同様の指摘がされた場合は、血液内科に紹介され精査を進めることになります。
「赤血球が多い」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「赤血球が多い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
健康診断で赤血球が多い、血が濃いと診断されたら多血症なのですか?
中川 龍太郎(医師)
定義上は多血症、ということになります。
血液検査で赤血球が多く赤血球増加症の疑いがあるとどんな危険がありますか?
中川 龍太郎(医師)
上述の通り、赤血球増多症といっても分類がさまざまです。その中でより管理や治療に専門性が必要になるのは真性多血症です。真性多血症では血栓症のリスクがあります。
血液検査のヘマトクリット・MCV・MCHとは赤血球の何を測る数値ですか?
中川 龍太郎(医師)
ヘマトクリット(Hct)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)の内容は以下に解説します。
ヘマトクリット(Hematocrit, Hct)は血液中の赤血球が占める割合をパーセンテージで示します。具体的には、血液を遠心分離した際に、赤血球が全血液体積に対してどれだけの割合を占めているかを測定します。
平均赤血球容積(Mean Corpuscular Volume, MCV)は赤血球一つあたりの平均的な大きさ、つまり体積を示します。この値は、貧血の分類(小球性、正球性、大球性)に役立ちます。
平均赤血球ヘモグロビン量(Mean Corpuscular Hemoglobin, MCH)は、一つの赤血球に含まれる平均的なヘモグロビンの重量を示します。MCHは赤血球の色素量を評価するのに用いられ、ヘモグロビンの平均的な量を反映します。
赤血球が多くなる原因を教えてください。
中川 龍太郎(医師)
遺伝子変異、脱水、慢性的な低酸素状態、喫煙などがあります。詳細は上述の項目をご覧ください。
赤血球が多いときの対策方法や改善方法はありますか?
中川 龍太郎(医師)
水分摂取、鉄分摂取、禁煙する、高強度のトレーニングは控える、といった方法があります。
赤血球が多いと言われたら何科の病院を受診すればいいですか?
中川 龍太郎(医師)
血液内科を受診してください。
赤血球が多いと診断されたのですが食事や食べ物で対策できますか?
中川 龍太郎(医師)
多くの場合、特定の食事では改善できません。
配信: Medical DOC