もし、今の担任あるいは新しく担任になった先生と、我が子のウマがどうしても合わないと感じたら、子どもや親にできることはある? 教育評論家の親野智可等(おやのちから)先生は言う。
「今の担任とウマが合わず、学校に行きたくないというほど深刻であれば、もう一年同じ先生が担任になるのはつらいもの。その年度の内に、校長先生にこっそりお願いしてみる手はあります。でも、先生が人事異動で転勤する可能性もありますので、その発表を見てからにします。転勤がないとわかったら、できるだけ早く行動しましょう。遅くなると校内人事が決まってしまいます。(親野先生 以下同)
もちろん「相談」を乱用するのはNG。しかし、子どもがひどく悩んでいる場合には、担任の先生には「極秘」として、電話でまず校長先生に面談をお願いする。その際、内容がわからないと、校長先生から担任に「あなたのクラスの保護者が相談したいことがあると言ってきてるが、心当たりある?」などと探りを入れることもあるため、あらかじめ内容を簡単に伝えて約束をとりつけるのが良いそう。
●担任の先生と合わないときはどうする?
「ただし、ウマが合う・合わないというのは、人間ですから、どうしてもあるもの。ウマが合わない先生が担任になった場合には、親として家が居心地の良い場所になるようにしてあげることも大切ですよ」
例えば、子どもが担任のことを悪く言っても、「そんなこと言っちゃダメよ!」などとキレイごとを言ったり、アドバイスをしたりするのはNG。「つらいね」「イヤだね」「話してくれてありがとう」などと共感的に聞いてあげることが必要だという。
「親が共感して話を聞いてくれないと、家がグチもこぼせない場所になってしまい、子どもは不満を溜め込んでしまいます。せめて家では楽しく過ごせるように話を聞いてあげると、いろいろ話してくれ、情報もたっぷり入りますよ」
また、スポーツや趣味、親子の触れ合いなどで、ストレスを解消させること、子どもの気持ちに寄り添うことも重要だそう。
●子が担任に嫌われていると思ったときに親ができること
では、早々に新しい担任に嫌われてしまったと感じたら?
「ママが先生となじみになるようにしましょう。本読みカードや連絡帳などでは『お世話になっています』と感謝の言葉を伝え、マメに連絡を。また、学校に用事で行くときは、長い話は迷惑になりますので、短い挨拶をすること。『先生に教わってすごく喜んでいます』などとホメると、先生は喜びます」
また、参観だけでなく、懇談会に出席することも大切。参観や懇談会では、先生が話すときは笑顔でうなずきながら聞き、ときにはメモをとるなどすると良いという。
「クレームから作る人間関係は厳しい」と親野先生は言う。このように、日頃から先生となじみになっておけば、何かあったときにも聞きやすいし、子どもと先生の関係性も良好になる可能性大。
新しい担任の先生には、4月の時点で早速、なじみになる努力をしてみては?
(田幸和歌子+ノオト)