耳にできた粉瘤の手術方法
耳にできた粉瘤は自然に消えることはないため、手術によって取り除く場合もあります。手術の方法について、以下に詳しく解説します。
小切開摘出術
小切開摘出術とは、粉瘤の部分を小さく切開し、粉瘤の袋と中身を丁寧に取り出す手術のことです。小切開摘出術の流れを解説します。手術前に、粉瘤の周囲に局所麻酔をします。麻酔は注射針で行われますが、痛みはほとんどありません。麻酔が効いたら、粉瘤の中心部分を約1センチメートル程度切開します。切開は粉瘤の形に沿って行われます。切開した部分から、粉瘤の袋と中身を摘出します。摘出する際には、粉瘤の袋を傷つけないように注意します。粉瘤の袋が破れると、中身が周囲に広がって再発の原因になることがあります。粉瘤の袋と中身を取り除いたら、切開した部分を縫合します。縫合に吸収性のある糸を使う場合、糸は自然に溶けるため抜糸の必要はありません。
小切開摘出術は、粉瘤の大きさや位置によって異なりますが、10分から30分程度で終わるとされています。手術後は、傷口の消毒や絆創膏の交換などのケアが必要です。傷跡は目立たないようになることが多いですが、個人差があります。小切開摘出術は、粉瘤を完全に取り除ける方法ですが、傷跡が残る可能性や再発する可能性もあります。
へそ抜き法
へそ抜き法とは、粉瘤の中心にある小さな穴(へそ)から、粉瘤の袋と中身を抜き出す手術のことです。へそ抜き法の流れについて解説します。手術前に、粉瘤の周囲に局所麻酔をします。麻酔は注射針で行われますが、痛みはほとんどありません。麻酔が効いたら、粉瘤のへそに専用の器具を差し込んで、粉瘤の袋と中身を抜き出します。抜き出す際には、粉瘤の袋を傷つけないように注意します。粉瘤の袋が破れると、中身が周囲に広がって再発の原因になることがあります。粉瘤の袋と中身を取り除いたら、傷口に消毒液や抗生物質を塗って、絆創膏で覆います。傷口は自然に閉じるので、縫合の必要はありません。
へそ抜き法は、粉瘤の大きさや位置によって異なりますが、5分から10分程度で終わるとされています。手術後は、傷口の消毒や絆創膏の交換などのケアが必要です。傷跡は目立たないようになることが多いですが、個人差があります。へそ抜き法は、粉瘤を簡単に取り除ける方法ですが、傷跡が残る可能性や再発する可能性もあります。
耳にできた粉瘤の治療にかかる費用と治療期間
耳にできた粉瘤を治療するにはどれくらいの費用や期間を要するのでしょうか。詳しくみていきましょう。
治療にかかる費用
粉瘤の手術は保険適用外の自由診療となることが多いとされています。保険適用外の自由診療とは、医療機関が自由に設定できる料金制度のことで、患者さんが全額負担する必要があります。
粉瘤手術費用の目安としては、以下のようになります。
小切開摘出術:1個あたり約1万円から3万円
へそ抜き法:1個あたり約2万円から5万円
くり抜き法:1個あたり約3万円から10万円
ただし、これらの費用はあくまで目安であり、粉瘤の大きさや位置、病院や医師によって異なります。また、手術以外にも、麻酔や消毒などの諸費用がかかることもあります。手術を受ける前には、必ず医師に詳細な見積もりをしてもらうことが大切です。
治療期間
耳にできた粉瘤の治療期間は、粉瘤の大きさや位置、病院や医師、手術の方法などによって異なります。粉瘤の手術は日帰り手術で済むことが多いですが、手術後の経過やケアには注意が必要です。
小切開摘出術は、粉瘤の部分を小さく切開し、粉瘤の袋と中身を取り出す方法です。小切開摘出術の治療期間の目安を解説します。手術時間は10分から30分程度で、入院は不要(日帰り手術)です。傷口の治癒時間は約1週間から2週間で、傷跡の消失時間は約3ヶ月から6ヶ月です。
へそ抜き法は、粉瘤の中心にある小さな穴から、粉瘤の袋と中身を抜き出す方法です。へそ抜き法の治療期間の目安を解説します。手術時間は5分から10分程度で入院不要(日帰り手術)です。傷口の治癒時間は約1週間で、傷跡の消失時間は約1ヶ月から3ヶ月です。
ただし、これらの治療期間はあくまで目安であり、粉瘤の大きさや位置、病院や医師によって異なります。また、手術後の経過やケアによっても治療期間は変わります。手術後は、傷口の消毒や絆創膏の交換などのケアをしっかり行い、感染や炎症を防ぐことが必要です。また、医師の指示に従って、定期的に診察や検査を受けることが大切です。
まとめ
ここまで耳にできる粉瘤についてお伝えしてきました。
耳にできる粉瘤の要点をまとめると以下の通りです。
粉瘤は、皮膚の表面にある毛穴や汗腺などの出口が詰まり、皮脂や角質などが溜まることで発生する、皮膚の下にできる白い塊のこと
粉瘤の症状には皮膚の盛り上がり、黒い点や臭い、炎症や痛みなどがあり、粉瘤に似ている病気には脂肪腫、粉瘤様嚢胞、膿瘍がある
耳にできた粉瘤の治療法は炎症の有無によって異なり、治療法のうちの1つである手術には、小切開摘出術やへそ抜き法がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事の監修歯科医師
眞鍋 憲正医師(UT Austin)
信州大学医学部卒業 / 信州大学大学院疾患予防医科学専攻スポーツ医科学講座博士課程修了 / UT Southwestern Medical Center, Internal Medicine, Visiting Senior Scholar / Institute for Exercise and Environmental Medicine, Visiting Senior Scholar / UT Austin, Faculty of Education and Kinesiology, Cardiovascular aging research lab, Visiting Scholar
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配信: Medical DOC